私、自分嫌いなんで【俺のスカート、どこ行った？】

4 ページ5

貴方side

あの後、始業式と新しく入る先生、つまり私たちの担任となる先生紹介のために体育館に集めさせられた。

校長の長い式辞を生徒の私達は個人個人の態度で聞くのだ。ケータイをいじっている人もいれば、立ったまま寝ている人もいる。

式辞が終わると校長が自ら拍手して生徒の賛同を得るのだ、なんて格差があるんだろう。

｢それでは、今年度から赴任される先生のご紹介を致します…。2年3組担任、原田先生っ｣

原田って言うんだ……。
どんな先生なのか気になるけど肝心の本人が不在っていう…事態。

先生も、生徒も困惑中。

東条｢俺らの担任来てないってこと？｣

私の隣で東条が後ろの明智に問いかける。

明智｢そうなんじゃね？｣

明智も周りのざわつきを感じつつも素っ気なく答える。

君澤『赴任初日から、遅刻するとか……』

その言葉を聞いていたのか、明智は｢ふっ｣と鼻で笑い私の方を見る。

明智｢…相変わらずの塩…っ笑｣

東条｢君澤も毒吐くことあるんだ〜笑｣

君澤『なに…？』

私が聞き返した。

明智｢……それでいいんだよ…｣

ほら、またそう言って笑うけど目だけは絶対に笑わないんだ。
私が嫌いな目だ。

なんでも見透かしたようなその目が……

5→←3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す