21話、 ページ22
｢……追い出された…｣
ちらりと後ろを見ると、校門前で谷川君が仁王立ちして｢早く行け｣という視線を送ってくるので戻れそうにはない。
｢……行くぞ｣
｢え、ちょっ｣
今井君に腕を捕まれ、強引に連れてこられた喫茶店。
落ち着いた雰囲気のそこは、以前に今井君や谷川君と来たことのあるお店だった。
｢なんか頼むか？｣
｢えっ？あ、じゃあカフェオレを…｣
俺はレスカで、と静かに注文をする今井君に困惑する。
｢……なに、急に静かになっちゃって｣
｢バカヤローこの店で騒げるかよ｣
｢や、まぁ…そうだけどさ｣
届いたカフェオレを飲みながら、落ち着いた今井君……勝俊を見つめる。
くそ、真顔だとカッコイイんだよこいつ。
急に静かになってしまった勝俊にドギマギしていると、勝俊はゆっくりと口を開いた。
｢……で？なんで泣いてたんだよ｣
｢……｣
ここまで来て泣いてない、と否定するのは無意味だろう。
どうしたものか、と思っていると先日の京子ちゃんのアドバイスを思い出した。
『とにかく押すんだ、A！』
『押すってどうやって……？』
『そうだな…とりあえず素直になってみろ。お互い誤解してる部分もあるかもしれないから、そこを取り除くのが第一段階だ！』
と、真顔で力説していた京子ちゃんを思い出した。
彼氏持ちの彼女に言われるとなんだか説得力がある。きっと京子ちゃんは伊藤君に素直に接しているんだろう。羨ましい。
｢……素直、か｣
｢どうした？ブツブツ言って｣
｢あ、いや、その……だから、私があの時泣いちゃったのは……｣
じ、と見つめてくる勝俊の目線がなんだか恥ずかしい。顔が熱くなるのを感じる。
｢え、と……だから、｣
｢Aは昔、俺になんでも話してくれたろ｣
｢え……？うん、そう、かも…｣
私の言葉を遮り話をしてきた勝俊に驚くが、とりあえず続きを聞く。
｢泣いてても怒ってても原因を話してくれただろ｣
｢……そうだね、そしたらいつも勝俊がどうにかしてくれた。……アンタが原因の事も多かったけどね！｣
少し笑ってそう言えば、うるせぇよと勝俊も笑っていた。
｢だからさ、お前が泣いてたら気になっちまうんだよ。分かるだろ？昔からそうだったんだから、今更変えられてもっての｣
むず痒そうに頭をかきながらそう言う勝俊に、私も素直になろうと決めた。
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黒にゃん - 幼馴染み・・・いいですね（ ＾ω＾）！ (2018年12月1日 15時) (
レス) id: 624e52af4e (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち子(プロフ) - 卵さん» 更新を楽しみにして下さっててとっても嬉しいです！自分のペースで頑張っていこうと思います、ありがとうございます！ (2018年11月29日 16時) (レス) id: 8a68cf3e08 (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち子(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます！今後の展開は...どうなることやら笑 更新頑張っていきます！ (2018年11月29日 16時) (レス) id: 8a68cf3e08 (このIDを非表示/違反報告)
卵 - この小説が好きでずっと読んでます！次の展開がどうなるのか楽しみにいつも更新されるのを待っています！更新つかれない程度に頑張って下さい！ (2018年11月29日 12時) (レス) id: db533c903d (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 最初から読ませていただいてます！今井さんと谷川が好きなので、読んでいてとても楽しいし嬉しいです笑今後の展開も気になります！更新頑張ってくださいね！ (2018年11月28日 23時) (レス) id: a54f0b350e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらびもち子 | 作成日時：2018年11月17日 12時
