壱 ページ9
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ボクと駅員の間に降ちてきた猪?くんはブンブンと刀を振り回している。
危ないよ。
「怪しいぜ怪しいぜ!この当たりが特に!!」
『キミ、勘がいいんだね』
「誰だお前!!」
わっ、こっち見た。
被り物だろう猪の顔がこちらをギュルンと向く。
うわー目どこ見てるか分からん。怖っ。
こんなことを思うボクは緊張感が欠けているんだろうね。
頭痛いんだよ仕方ないでしょ。
何故か猪くんが斬りかかってくる。
なんで!?
素早く抜刀してそれを弾く。
『ボクはキミと同じ鬼殺隊だよ!』
ズボンの材質から同じだと推測した。
「そんなこと知るか!俺と戦え!」
『理不尽だな!』
なんか既視感を感じるぞ。
猪くんの背後から鬼の手が無数襲いかかってくる。
『猪くん!「キモっ!」ボクが気持ち悪いみたいに言うな! 』
彼の肩を引いて入れ替わるように前に出ると、無数の手を切り落とした。
手の残骸が散る向こう側で駅員が恐怖に怯えているのが見える。
『駅員さ「おい!まだ終わってないぞ!」っ!』
言葉と同時に背後に迫る危険を察知。
振り返ると
「大丈夫!?姉さん!!」
弟─炭治郎─が残っていた手を切り裂きながら降り立った。
『なんでキミが「ねぇ大丈夫?怪我ない!?」
たたた…(炭治郎)とととと…(とりあえず離して)くくくかく…(首がもげる)』
「姉さんしっかりしてぇぇえ!!」
両肩に手を置かれて前後に振られる。
頭がぐわんぐわん揺れて目が回る回る。
吐きそ、おぇ……
「………紋次郎、そろそろ離さねぇとそいつの首取れるぞ」
「ぇ……わぁあ!ごめん!姉さん!」
今だけ猪くんが仏様に見えるよ。
「あ、こいつ目ぇ死んだぞ」
「姉ぇさぁぁん!!!」
『……』
叫ばないで頭 痛いから。
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