１２ ページ12
・
よいしょって、おもむろに立ち上がってにこにこと嬉しそうに私の隣に来ようとする大ちゃん。
｢奥に行って｣ と言われて隅っこに寄ると、その隣を陣取った大ちゃんは私に頭を傾けた。
｢え？ どうしたの？｣
｢ふふ、撫でて？ 言ったじゃん、褒めてもらえるように佐久間頑張ったんだって｣
｢大ちゃん、｣
胸の奥があたたかくなった。
大人になっても、こうして私に甘えてくれるんだなって。
｢Aねぇが何処に行ったとかも分からないからさ、大人になってテレビにいっぱい出ればいつか気付いてくれるかなって思ったんだけど、｣
よしよしと頭を撫でれば、大きな目を細めてこっちを振り向く。
｢なかなかテレビで活躍とか出来なくて。でも、気付いてくれたんだ｣
口角の上がった唇をキュッとつぼめて、本当に嬉しそうに笑ってくれると私だって嬉しくなる。
ふわふわの髪が触り心地良いなぁ。
｢Aねぇ、これからはまた一緒に居られるね｣
｢ふふ、そうだね。 大ちゃんの活躍応援してるからね｣
.
良い時間になって店を出る事になった。
会計時、お金を払おうとしたら、その手を止められて ｢今日は俺に払わせてね｣ と笑顔で制止されたけど、
私だけがお酒を呑ませてもらったし、私の方がお姉さんだし申し訳ないなぁ。
｢大ちゃん、やっぱり払うよ？｣
｢だーめ。もう払ったし、受け取らないよ〜｣
｢でも、｣
この店、結構高そうだし。
あ、そうだ！
｢あのね、もし大ちゃんが無理じゃないなら私の家に来る？｣
｢……は？｣
あれ？
私、おかしなこと言った？
大ちゃんは大きな目を見開いて、ポカーンとお口を開けて私を見下ろしてる。
｢なんで？｣
｢いやご馳走してくれたお礼に？ お酒呑みたそうだったし、もしそのまま寝ちゃっても、明日ちゃんと起こすよ？｣
｢えっと、｣
ここから遠くない場所に家はあるし、帰りにちょっと何か買って帰ってなんて考えてたら、難しい顔をした大ちゃんが立ち止まった。
少しだけ開いた距離。
チラッとこちらに視線をむけて、
｢本当に良いの？ 佐久間が家に行っても｣
ほんのり顔が赤いような気がするけど気のせいかな？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1774人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきんこ(プロフ) - ゆずさん» ゆず様、コメントありがとうございます！こちらにコメント頂くのは結構久しぶりなので嬉しかったです！Twitterも是非お越しください(^^) (2021年2月10日 9時) (
レス) id: 32279ed1b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず - 楽しく読ませて頂きました！素敵な佐久間さんに癒されました！Twitterもリクエストさせて頂きました…！今後も応援しています！ (2021年2月9日 23時) (レス) id: 0de26007c0 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - ゆきちょなさん» コメントありがとうございます(^^)キュンキュン超えてギュンギュン！！新しい(笑)更に超えてもらえるような作品作り頑張ります！！ (2020年7月20日 19時) (レス) id: 28b6095af7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきちょな(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！もうキュンキュン超えてギュンギュンですね(*´ω`*)次回も更新楽しみにしています！ (2020年7月19日 23時) (レス) id: def4041367 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - さっくりさとこさん» ありがとうございます！きゅるるんな佐久間さん可愛いですよね(^^)こちらの佐久間さんは年上お姉さまを手玉にとる方なので、可愛さ炸裂させる予定です！頑張ります！！ (2020年7月19日 19時) (レス) id: 28b6095af7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年7月10日 15時
