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好きな女がいる。
俺も年頃の男子なわけだから当たり前の事なんだろうけど。
ただ、俺は自分のその好きという感情に戸惑いと驚きを隠せないのだ。


『じゃあここの和訳、成瀬』

今、名前を呼ばれた成瀬Aという女。
彼女こそ俺の好きな女。

「ここは暗いから気をつけて下さい」

『うん、正解。』

彼女は頭が良い。
出処がわからない噂ではどうやらアメリカやらドイツやら出身だと。
本当のところ、どうなのかはわからないけれど。

「成瀬は可愛い」
そんな言葉を多数の男子の口から発されていることを俺は勿論知っている。
勿論、俺もそう思っている一人である。
彼女には人を惹きつける不思議な力がある。
一言で言えば魅力的だ。

声色も、立ち振る舞いも、勿論容姿も。
ただ、性格。こればっかりはわからない。
彼女は驚くほど男子と会話をしないものだから。

勿論、俺もほかの男共と同様、彼女ときちんと会話を交わしたことはないに等しい。
好きになったキッカケは見つからない。だけど好きなのだ。


海「成瀬さん、ここ」

「うん、ここはね。左に回すの」

彼女にとっての例外として高橋海人という奴がいる。
高橋の前では成瀬はよく喋る。
決して楽しそうであるわけでも、不快に思っているわけでもないようだけれど、話す。
これには少しの苛立ちと遣る瀬無い気持ちに駆られる。
俺は付き合っているわけでもないのに嫉妬というものをしているんだから成瀬にとっても良い迷惑だろう。

二人の関係はよくわからない。
付き合っているのかもしれない。
それとも同中だったとか、幼馴染とか?
何にしろ、俺はそれを黙って見ていることしか出来ないから不甲斐ない。
怖いのだ。成瀬がもし俺を拒絶した場合が。

勿論成瀬は男子に人気がある。
それ故、2ヶ月前に隣のクラスのイケメン君に告白されていた。
成瀬は断ったらしい。
「好きになる可能性はないと思う。」
そう言ったらしい。
俺が知っているのはその事例一つなのだが、きっと今までに彼女によりたかっていた男なんぞもっと多くいたであろう。
その度にきっと彼女は断ってきたであろう。

彼女が高橋以外の男といるところを俺は見たことがない。

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設定タグ:平野紫耀 , 永瀬廉 , 高橋海人   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ふる | 作者ホームページ:http://twitter.com/ei_njo  
作成日時:2017年10月7日 15時

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