隣の席が９席 新しい体育教師�� ページ13
なんとか時間内に着替えを終え、猛ダッシュで体育館に行った。
新しい先生……らしき人影は見当たらない。
先生が遅刻してんのかな？
「全員揃ったー？」
体育委員の谷原さんが呼び掛ける。うん、全員いるみたい。
「じゃあ、先生に報告してくるから」
そう言って谷原さんが報告しに行ったのは……
「中学生……？」
思わず、本音が漏れる。
慌てて口を塞いだが、周りも同じようなことを思ったらしく、咎められることは無かった。
先生と呼ばれた女性は、背が低く、顔も幼い。
確かに可愛らしい顔ではあるが、一見、生徒の様に見える。
身長は、私と同じぐらい……いや、下手をすれば私よりも低い。
「新しく体育教師をすることになった、来蛍です。みんな、よろしくね」
そう、先生は挨拶する。
「まぁ、授業と言っても、初めての授業だし、私の特技を少々」
そう言って、来先生はマットを引き始めた。
「明石先生が言ってたけど、来先生って、大学じゃ器械体操やってたらしいよ」
理沙が耳打ちしてくる。
「へぇ……そうなんだ。どれぐらいなんだろう」
「小柄だし、結構な大技決めてきたりして。……なんちゃって」
「さすがに、そんな人だったらプロ行ってるでしょ」
そう言いつつ、先生が始めるのを待った。
「じゃ、始めまーす」
全員が、どんなものかと期待して、身を乗り出す。
でも、まぁ、所詮先生だし、大したことは出来ないだろう……そう思っていた。
しかし、そこで繰り広げられたのは、プロ顔負けの演技だった。
小柄な身長を生かして鳥の様に軽やかに飛び、決める時は微動だにしない。
体も、びっくりするぐらい軟らかい。
そこにいた全員が、息を呑んで先生の演技を見ていた。
「ざっと、こんなもんかな」
汗一つかかず、先生は言った。
「先生」
Ｄ組の女子生徒が手を挙げる。
「ん？どうしたの？」
「先生は……そんなに凄いのに、どうしてプロにならなかったんですか？」
それを聞くと、先生は少し笑った。
「せっかく教員免許持ってるんだから、使わない手はないでしょ。
わざわざプロなんて不安定な職業に就く必要もない」
そう言い、先生はひらひらと手を振った。
「まぁ、今の動きなら、ちょっと練習すれば出来るようになるから。
時間あったら練習してみて。声掛けてくれたら手伝うよ」
いやいや、練習しても出来ないでしょ！
ほとんどの生徒はそう思ったんじゃないかな。
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佐々木んちょ(プロフ) - 紅鮭さん» そんな風に言ってもらえて、嬉しいです！これからも頑張ってじゃんじゃん更新していきます！(｀・ー・´)b (2018年5月19日 20時) (
レス) id: 6ee39c9361 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭(プロフ) - ﾋｪ、文章の書きかたとかすごく好みです……。評価ボタン足りません……笑 応援してます。更新頑張ってください！ (2018年5月19日 17時) (レス) id: 6e2e2a647b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐々木んちょ | 作成日時：2018年5月14日 17時
