隣の席が１席 私が彼と出会ったのは�� ページ2
４月。春だ。
長かった春休みは終わりを告げ、今日から、新しいクラスで、新しい日常が始まるんだ！
廊下に貼り出された、新しいクラス名簿に目を向け、私の名前を探す。
“わ”から始まる名字は大抵最後なので、案外早く見つかった。
２年Ｃ組か……。
「A！」
親友の理沙が、後ろから声を掛けてきた。
「A、何組だった？私、Ｄ組なんだけど」
「残念。Ｃ組だった」
「えぇー、嘘ぉ……」
がっくりと肩を落とす理沙。趣味や性格は正反対でも、良い友達だったのに、残念。
「自分のクラスがどこか分かったら、出席番号順に並べ。そろそろ始業式が始まるぞ」
妙にキビキビとした男の先生が言う。見たことない先生だ。新しく異動してきたのかな？
「ヤバっ！長谷部先生だ」
「理沙、知ってるの？」
「うん。去年まで、お姉ちゃんがいた高校で教師やってたんだよ」
ため息を吐きながら、理沙は言う。
「規則に人一倍厳しいらしいよ。私達も、早く並ばないと怒られるよ！またあとで！」
焦った調子で話を切り上げ、理沙は、Ｄ組の列へ走っていった。
私も、急いでＣ組の列へ並ぶ。
一見する限り、特に面倒くさそうな人間はいなさそうなクラス。
充実した、とまでは行かなくとも、良い一年になると良いな。
「ごめん。そこ、ちょっと入れてくれない？」
「あ、すみません」
振り向くと、とても背の高い男子が後ろにいた。少なくとも、180cmはあるだろう。
それだけで威圧を感じ、おっかなびっくりに、後ろに下がり、彼の入る場所を空ける。
「ありがとう。俺の後ってことは、出席番号最後の……」
「Aです。AA」
「Aさんか。俺は、槍見御手杵。呼び方は御手杵で良いよ。よろしくな」
ニカっと、爽やかな笑顔で彼は言う。こんな良い笑顔出来るんだ。すごいな。
「うん。よろしくね」
下手くそな笑みを返しながら言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
佐々木んちょ(プロフ) - 紅鮭さん» そんな風に言ってもらえて、嬉しいです！これからも頑張ってじゃんじゃん更新していきます！(｀・ー・´)b (2018年5月19日 20時) (
レス) id: 6ee39c9361 (このIDを非表示/違反報告)
紅鮭(プロフ) - ﾋｪ、文章の書きかたとかすごく好みです……。評価ボタン足りません……笑 応援してます。更新頑張ってください！ (2018年5月19日 17時) (レス) id: 6e2e2a647b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：佐々木んちょ | 作成日時：2018年5月14日 17時
