ひとやすみ 空夜 ページ28
「へぇ、ディアボロ・エックスバレットも参加するんだとさ。しかし君が参加しないとは意外だね、影」
場所は人里、路地裏にひっそりとある小さな甘味処。こぢんまりとしていながら提供される甘味は絶品で、空夜も影も気に入ってよく訪れている店だ。空夜が蕨餅に黒蜜をかけながら言うと、影は三色団子の串をひらひらと上下させながら答える。
「そもそも私は人前に出るのが趣味じゃないからな。面倒臭いし。それよりお前が参加しないことに驚きだぞ、空夜」
「私は出ても出なくてもどっちでも良かったんだけどねぇ……」
空夜は言いながら、横で羊羹を頬張っている紅音に目をやる。紅音は空夜の視線に気付くと、羊羹を飲み込んで、
「だって決闘なんて危ないじゃないか。新聞でルールは把握したけど、戦闘不能か降参まで戦うんだろ?芹亜がそこまでボロボロのなるのなんて、僕は見ていられない。それにほら、芹亜が人前に立ったら芹亜が僕だけのものじゃなくなっちゃうし」
「―――という訳でね、私が出ようとすると彼は命を捨ててでも妨害しようとしてくるんだよ。いち催しの為に人殺しするほど私は行事に渇望している訳でもないし、ここは出なくても構わないかと思った次第さ」
「……思ったんだが、お前意外とそいつの事気に入ってるな。というかそこまでして大事にされるのが満更でもないって感じするぞ。お前乙女ゲー好きだろ」
「うん、正直言ってぐうの音も出ないね。影の言葉に同調するようで不本意だけど。あと乙女ゲーはやった事ないから、そこだけは弁解しておくよ」
珍しく影の言葉を肯定する空夜に、影はひどく驚いたようだった。二本目の三色団子に手を付けている影の横で、空夜は緑茶を啜る。「私は紅茶党だけど、たまにはこっちも良いね」と呟き、しばし空を見上げ、空夜は言った。
「まあ、私にとっては珍しく傍観者視点で見られる行事だからね。少し楽しみにしているんだ。いつもはつい参加者の方に走ってしまうから」
そうか、と軽い返事をする影と、空夜の横で満足げに羊羹を食べている紅音。そういえばしばらく紅魔館に帰っていないが、咲夜は心配しているだろうか。フランは退屈していないだろうか。大決闘祭まで何日かあるので、一度帰っても良いな、と空夜は思った。なにしろここ最近は異変続きで出ずっぱりだった訳で、魔法で睡眠や休息は取らなくても良いようにしているが疲労は溜まっている。
「じゃあ私は、とりあえず家に帰るよ」
空になった硝子の容器を置いて、空夜は紅魔館へと帰る事にした。まさか紅音とレミリアが親戚だとは知らずに。
この発狂に突っかかった貴方、東方オタクですね? ディアボロ→←人の営みに入り込む悪魔 和華
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うp主こと東方好き死神まお(別アカ) - さっきさん» ありがとうございます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: d45d880fd4 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新しました!あと、お話がいっぱいなので新しく作っておきます! (2022年8月19日 13時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
さっき(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: cc7395c068 (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新しました! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
フウ(プロフ) - 更新します! (2022年8月19日 12時) (レス) id: b910a0dd1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他5人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2022年8月6日 9時