原神〜2人の姫と1人の王子〜 VI (ページ7)

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北「なんだ、そういうことは早く言え。稲妻に行く程度、どうってことない！
　もしあんたが勝ったら、賞品を神の目から稲妻行き「死兆星」号の乗船券に変えてやってもいい。
　自分で選べ」

『そんなあっさり！？』

パ「こいつを舞踏会に参加させたいだけだろ！」

パイモンはお姉ちゃんを指差して怒ったような口調で言う

それに北斗さんは笑う

私は武闘会に参加できないけど…強い人ってどんな人か気になるなぁ

北「はははっ、もちろんさ。強者が多ければ多いほど、武闘会も派手なものになる。だからアタシは、あんたに
　どうしても参加してほしいのさ」

パ「どうする、蛍？稲妻に行くために参加するか？」

『別に参加してもいいんじゃない？武闘会は盛り上がって稲妻に行けたら、損はないよ』

蛍「うん、腕には自信あるし」

その言葉を待っていました！、と言わんばかりに北斗さんは急かす

北「よし、じゃあ会場に行って申し込んできな！武闘会の会場は孤雲閣にある、アタシもあとから万葉と一緒に
　行く」

万「さすれば、あとは結果を待つだけであるな。うむ、悪くないでござる」

万葉は優しい声色で言う

やっぱり万葉って不思議な雰囲気を纏ってるなぁ

ウェンティとはまた違う吟遊詩人だからかな？っていうか、ウェンティは過去を語ってただけだけど…

なんて言うんだろう…なんか、上手く掴めない、というか…

パ「A！早くしないと置いてくぞ！」

『あっ！ごめん…！』

私が南十字の船の上で頭を悩ませていると、パイモンから名前を呼ばれハッとする

考え事をするときの悪い癖だ

何かを考えていると、周りが見えなくなってしまう

だからなにかとパイモンにはいつも迷惑をかける(私を呼ぶ係だから)

万葉と北斗さんに会釈をしようとすると強風が吹き抜け上へ吹き抜け、髪がバサっと音を立てて舞い上がる

私は目に髪の毛が入らないようにギュッと目を瞑る

風はすぐに止んだのでゆっくり目を開け、船から降りる

今一瞬万葉と目が合ったような…？

万「ﾎﾞｿあの目…」

少し俯いて険しい顔をする

北「？、なんか言ったか？」

万「いや、なんでもないでござる」

万葉は何事もなかったかのような顔をする

北「それにしても楽しみだなぁ…！あいつが参加したらきっと大盛り上がりだ！」

万「そうでござるな」

北「Aにも参加してもらいたかったが、事情があるみたいだしな」