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めちゃくちゃ逃げるから、私が色を見てずっと追いかけていた
万葉には申し訳ないけど、後ろについている暇はなかったんだよね…絶対怪しまれた〜
でもこの秘密を知ったって万葉にはなんのメリットもないもん。別に良いよね
翔「逃げるためせっかく船を用意したのに、まさか追いつかれるなんて思わなかったぜ」
万「どれほど船が速かろうと、風の速度には追いつけまい」
翔「風?何を言ってやがるんだ…くそっ、分かったぞ。お前、神の目の持ち主だな!
ちくしょう…俺にも神の目があれば…この神の目を光らすことさえできれば、お前らなんかに
追いつかれないのに!」
万「神の目とは関係ない。お主は「群衆」から姿を消すのが得意かもしれぬが、「自然」の目から逃れるすべを
知らなかったようでござる。
それに、逃走経路の選択にも隙が多い。また拙者が風を頼りに追うさなか、お主の得意気な高笑いが
聞こえてきた……言い換えれば、盗みの達人が持つべき3つの信条、「迅速」「隠蔽」「優雅」。
お主はそれを何一つできておらんかったということでござる」
翔「お、お前…」
万「だがそれ以外に、拙者を一番失望させたのはその手にある神の目の状態…———やはり、それはどのような
「願望」にも反応するわけではないようだ」
翔「分かった分かった!今回は俺の負けだ!
この神の目はずっと狙ってたものなんだ。今回の武闘会の参加者が、全員まともな流派すら持たない
ヤツらと聞いて申し込んだ。せっかく順調に決勝まで進めたっていうのに…」
パ「お前が決勝戦の相手だったのか」
翔「俺の実力なら優勝は間違いないと思ったんだ!それなのに、突然お前らが現れて!
準決勝を見た瞬間分かったよ、俺に勝ち目はないって。でもここまで来たのに神の目を諦めるわけに
いかないだろ!」
どうせそんな理由だと思ったよ…
まあ、欲しいものが手に入るまであと一歩のところで、大英雄様が来ちゃったんだもんね…
翔「正当な方法がダメなら…みなの注目が北斗とお前に集まってる隙に、過去に手を染めていた本業のやり方で
と…あれほど準備したのに、結局お前たちに追いつかれた」
蛍「もう逃げ場はないから大人しくして」
翔「くそっ、でも…やっぱり悔しい…」
『………』
蛍「まだ抵抗するなら、代償は大きくなるよ」
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作者名:ゆっきーぷ | 作成日時:2022年9月14日 21時