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370話 ページ7

神童「他に言うことないのか」

A「どういうこと?」


神童は気がついていた。
最近のAから感じる違和感に。


神童「隠してるつもりだろうが、試合後はいつも身体に違和感があったはずだ。」


最初は気にならなかった。

だが尋常じゃない汗、ドリンクの消費量
そして以前にもあった体調不良。


神童「気になる点が多すぎる」


A「.....ごめんね」



Aはたった一言、謝罪を呟いて黙ってしまう。


霧野「.....A、今お前は何を考えている。」


沈黙するA、それに対して少し怒りを露にする神童。
霧野は困った顔をしながらAへ問いかけた。


霧野「神童も言ってるだろうが、お前は自分の事を話さなすぎだ。」


今まで神童は過干渉な程に聞き出す努力をしてきた。
だが今現状を見る限り、それでも進展はなかったのだろう。

ならば、神童が見えていない視点から道を作ってあげたらどうだろう?


霧野「いいか、今からお前の望みを俺達が全力で叶えてやる。
その代わりお前の隠している事を聞かせてくれないか?」


どうか、この話に乗ってくれ......A。



A「......願い」

霧野「そんな願いって言っても重く考えなくていい。
やりたい事でいいんだ」


Aは真剣に悩んでいる様子だったが、直ぐにハッとした表情のまま顔をあげた。



A「サッカーをやりたい......みんなと一緒に」



あまりにも無難な願いに霧野と神童は面を食らった顔をしている。

そんな様子に何を思ったのかAは気まずそうな顔をして目を逸らした。


しかしそんな時間が止まったような空気を切り裂いたのは神童の笑い声だった。


神童「そんなのでいいのか」


サッカーをやりたい。

もっと悩むのかと思ったが、何ともAらしすぎる願い事だ。


自分の想いがなかなか伝わらずに苛立っていた感情が嘘のように一瞬で消え去るぐらいに。


神童「そんなの俺たちがいくらでも叶えてやる。」


神童は霧野と同様、Aの前に膝を着いた。


神童「終わったらお前の隠している事教えてくれるか?」

A「......分かった。」


そうと決まれば早速と意気込む霧野と神童。

そんな2人をAは眩しそうに見ていた。




自分の身体は自分が一番理解している。
恐らく疲れでは簡単に済まされない状況に陥っている可能性がある事を......。
また大事な戦いの最中、戦線を離脱しなければならないかもしれない。


Aは静かに覚悟していた。

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設定タグ:イナズマイレブン , イナクロ , 神童拓人   
作品ジャンル:アニメ
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ゆーり(プロフ) - 夜市さん» コメントありがとうございます!!本当に更新頻度爆下がりとなり申し訳ないです(汗)この後1話分残して、あすまた更新出来るように頑張るので気長に待っていただけると嬉しいです......!!! (2023年1月3日 23時) (レス) id: 250c2a8e78 (このIDを非表示/違反報告)
夜市 - いつも見ています\(^o^)/続きが気になります。 (2023年1月2日 23時) (レス) @page12 id: 62e5bc4b98 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆーり | 作者ホームページ:https://twitter.com/yuri__1098  
作成日時:2022年9月19日 0時

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