【募集企画】終末戦記【無限募集】

『資料』(残酷表現の目安) ページ1

『――とある女学生の手記


××××年 8月9日


この日はいつも通りの日常を迎えるはずでした。
学校も休みで、せっかくだし友だち同士で遊びに行こうと約束していました。
ちょうど12時に集まる約束をしたので、私はその時間駅前のベンチに座ってスマホをイジってた時。

突然、空から無数の『光の矢』が降り注いできたのです。
何が起こったのか、私には分かりませんでした。
けれど確かに『光の矢』でした。

遠くから飛んできたから分からなかったけど、間近で見ればそれはゆうに2メートルは超える巨大な矢。……いえ、もはや槍と呼んだ方がいいかもしれません。
槍は的確に、確実に『命』を狙って突き刺さっていきました。
周りにいたサラリーマンも、散歩中のおばあさんも、そこら辺をうろついていたカラスも、みな等しく槍が突き刺さって、死んでいきました。

怖くなって屋内に避難したけれど、そこにあったのは外と変わらない、残酷な光景でした。
体のあちこちに突き刺さった槍は、赤黒く染まっていました。
やけにキラキラと白く輝くものが余計に不気味さを増しています。
一突きで亡くなった人はまだ良かったかもしれません。時には無数の針のような細かさの矢が、全身にびっしりと生えているように刺さった人もいました。

もちろん、その時私も死にました。
後ろにいた誰かがこちらを狙っているのに気づかなかったのです。
振り返った瞬間、体が宙を舞いました。何が起こったのか分からなくて……。

気づけば、遠くには首のない私の体が、転がっていたのです。』

世界観→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す