【企画本編】終末戦記 -零- 【奥宮カナデ視点】 (ページ21)

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ガシャン！！

「……ゼットさん。人の許可無く壊すのはどうかと思うな」
「だって開かないんでしょ？」

いとも簡単に蹴り飛ばされ、扉は玄関前まで吹き飛んだ。

「……ありがとう、ございます」
「いえいえ～」

自分の足が、何かに取り憑かれたように家の中へと入っていく。
誰の気配もなくなって、ふと振り返る。何人かは心配そうに、何人かは私の様子を楽しむように笑っていた。

「……入ってもいいよ」
「じゃあ遠慮なく！」

人間の家って初めて～！とのんきにゼットさんは足を踏み入れる。それに続いて他の人達もぞろぞろと私の家に入ってきた。
玄関の扉にもいくつか穴が開いている。玄関になにかおいてたかな。記憶にない。玄関の鍵、確かポケットに入れてたっけ。他人の制服になっていたことを忘れて、スカートのポケットを漁る。なぜか入っていた。

「！おんはこっちから入るに！」
「ばっっっっっっかお前そっちはガラスだーーーーー！！」

ガシャン！！
この破壊音、何回聞いたかな。一応うちの窓、警報機をつけてるんだけど。
当然、防犯ブザーの音がけたたましく鳴り響き、「んにぃいいい！！！！」という叫び声が上がる。何やってんだろう。

「面白そうだから俺もあっちから入ろっかな」
「奥宮さん、通報するなら今だよ」
「残念だけど警察もセキュリティ会社も動いてないと思う……」

開いた扉を開ける。
つい彼らに気を取られていて、心構えもなく扉の向こうを見てしまった。

「……」
「……うわ……」

思わず、と言ったような、九条さんの声がする。