最高で最悪 (ページ44)

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彼女を教室に送り届けけると、僕はすぐにユンギヒョンへ連絡した。

「ユンギヒョン、今、菖蒲Aと会いました。」

『おお、ジフンが自分から会いに行くとはな。

お前も成長したな。ところで、軽音部には勧誘したか？』

「それはまだ。。

いきなりは流石に驚かせちゃいます」

『それもそうだな。

ただ、あいつは必ず軽音部に必要になる。』

「あの、ヒョン。

あの子の何がそんなに魅力的なんですか？」

『あいつは昔、アイリスという名でバンドをしていたんだ。

歌声はもちろん、楽器のセンス、作詞作曲もできる。まさに天才だよ。』

まさか、あの子が？

あんなアホそうな子が？？

今まさに必要としている物が全て揃っている。

でも、気になることがある。

「昔って事は、今はもうバンドは辞めたんです？」

『あぁ、実力もあって中学生って言う若さで結構注目されていたんだが、

突然消えたんだよ。しかも、そのバンドのベース担当である菖蒲Aだけ。

あいつが抜けた瞬間バンドの音は悪くなって、人気は途端に落ちていった。』

人一人抜けただけでそんなに変わるものなのか。

それとも、あの子がそれだけ実力があるのか。

あぁ、気になってしょうがない。

「明日また声をかけてみます。」

『おう。そうしてみてくれ。

１つジフンに助言をするとしたら、

あいつはタバコを吸っている。

多分かなりのヘビーだと思うよ。

だから必ず、時間があれば体育館裏か倉庫裏みたいな人気のない所に来る。』

ユンギヒョンがタバコを吸っている生徒を勧めるとは思っても見なかった。

まあでも、すぐに居場所が分かりそう。

これはいいことを聞いたな。

「ヒョンの名前を使って脅しても良い？」

『それは好きにしてくれ。

あいつがタバコを吸っているところを俺が見つけたら

御構い無しに指導するから』

なんて言う兄に苦笑いする。

実の弟でもこの人の指導は受けたく無い。

毎回スニョンから話を聞いては、

お前のお兄ちゃん、もうちょっと優しくなんねえの？？？！

なんて愚痴を聞かされるから、どれだけ苦痛なのかは想像しなくてもわかる。

『それじゃ、頑張ってな』

「ありがとう」

そう言って電話を切る。

菖蒲A

明日ももう一度、声をかけてみよう。