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一緒にバラエティー番組を見ている時は、面白いのと幸せなのとで、嫌なこと全て忘れる。
でも辛いのは、見終わった後、だ。
『こーちゃんが先にお風呂入っていいよ』
そう言ったものの、いざ部屋に1人になると、先ほどの嫌な思い出が蘇ってくる。
高崎は、他の同僚には人気の上司であり、また、仕事も出来て爽やかというイメージで通っている為、そのギャップは凄まじかった。
はぁ…
休み明けからどうしよう…
周りに言ったって、ちゃんと話を聞いてくれる人はいるのだろうか
1番仲の良い同僚は、高崎さんのこと大好きだしなぁ…
こんなこと話したら、きっとショックを受けるに違いないし、何なら私が非難を浴びせられるかも知れない
ほんと最悪…
こーちゃんにまで迷惑かけちゃったし…
膝を抱えたまま、落胆していた。
と、
ふと、背後から良い香りと温かさに包まれた。
『…⁉』
「なーに落ち込んでんの」
「もう元気出たんちゃうの？」
お風呂上がりで髪の毛が濡れていて、その雫が伝って首筋に落ちてくるから冷たくてくすぐったい。
「思い出しちゃった？」
うん、と頷くと、背後から回っている両腕に、更に力が込められた。
「こんな状態で、あんな奴がおる仕事場なんか行かせたくない。こーちゃん心配」
『こーちゃん…』
チラリと後ろを振り返った。
『…！何その顔！』
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作者名：0号車さん | 作成日時：2017年6月21日 16時
