ヴィル･シェーンハイトの兄になったけど弟が美しすぎて直視できない

──ホワイトデー(次回更新時に消します) ページ7

・





ホワイトデーは三倍返し。
由来は諸説あるが、チョコレートを貰ってしまった以上、お返しをしない事をヴィル･シェーンハイトは己のプライド的に許せなかった。あと、兄と一緒にご飯に行きたい。

というわけで、ホワイトデーに兄を呼び出し、半月前から予約していたリストランテで食事を取っていた。


「今日は誘ってくれてありがとう」


食事と景色を楽しみ、優美に頬笑む兄。個室ということも相まって普段より表情が緩んでいるように見える。


「別に、ただのお返しよ」

「ふふ」

「なに？」

「いや、ヴィルと外食できて嬉しいなって」


そう言って、兄はまた頬笑む。

兄は昔から恥ずかしげもなく普通にそういうことを言ってしまう人だった。
なんでこの人にロイヤルソードアカデミーの入学許可証が来なかったのか不思議でならない。


「･･･ふん」


──アタシだって、嬉しいわよ。

兄には絶対に言わないけど。

顔を背けて、夜の街を見下ろす。
ガラスに反射して映った自分の顔は幸せそうな顔をしていた。




●○●




ヴィルと久しぶりに外食した。
昨日、電話で急に誘われたと思ったら予約が何ヵ月待ちのリストランテの名前が出てきて少し焦った。

夜景を見ながらグラスに口をつけるヴィルは先程から黙りこくってこちらを見ない。


『ヴィルと外食できて嬉しい』


心からの嘘偽りのない言葉だったが、ヴィルにとっては迷惑だったのだろうか。


『ただのお返し』


あぁ、そうか。
今日はホワイトデーだった。

バレンタインデーのお返し。それ以上はなにもない。ちゃんとそう言っていたじゃないか。

自惚れていた自分が恥ずかしくなり下を向く。
テーブルの上には、デザートで使ったスプーンが逆さまの世界で歪んだ顔を映していた。





反射した世界のホワイトデー









3月中は実質ホワイトデーだってばっちゃが言ってた。(言ってない)

ヴィル様の授業の新ボイス聞いて発狂してます。絶対字キレイやん。ありがとうございます。

最初タイトルを虚像世界にしようと思ったんだけどスプーンのやつは上下左右逆だから実像だった事を思い出した。高校入試でやってたな〜懐かし。受験がひとまず落ち着いたので、更新を細々としていこうと思います。(コメントありがとうございました)

あと少し早いけど、ツイステ一周年おめでとうございます！！グリム実装ありがとう！！







ハッピーホワイトデー！

・

終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)

←#06

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す