歯車は今、処刑台を彩める。 (ページ6)

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学生の歯車達ページ6

トランプカードのおまけで貰った怪しいタロットカード、

何も映し出さない水晶、

学生の鞄の中にはノートと参考書の山、

その鞄の持ち主の学生は齧りかけのパンを机に残したまま扉を勢いよく開ける。

インテラ(いんてら)はタイルの坂道を全力で駆け下りて行く。

完璧に遅刻したと必死に走る。

「あ"ー！もう何でだよクソー！！」

叫びながら走っていく、いつの間にかその横には赤髪が並走している。

血涙輪廻(ちるいりんね)は必死に走るインテラを見て笑っている。

「輪廻！？何してんの！？」

「遅刻！インテラ君と一緒だよバーカ早くしないと遅刻するよ！！」

「もう遅刻確定だよ！」

学校に着いた頃には一時限目は終わっていた。

「インテラ君が遅刻とか珍しいねぇ、何かあったの？」

「夜遅くまで勉強してたんだよ。」

「真面目だね、」

輪廻はクスクスと笑う。

インテラは一見参考書にも見える本を取り出す。

タイトルはブックカバーで覆われていた。

「何読んでるの？」

輪廻が食いつく。

インテラはサッと隠して言う。

「ただの参考書だよ！」

本当は参考書ではなく占い学の本なのだが…

インテラは占い師だということを知られたくなかった。

理由はインテラ達が通っている学校では占い師になること、

もしくは占い師関係の本を見たりすること、

占い師に会うのすらも禁止されているのだ。

しかしインテラは思いもしなかったのだ、

「ふーん、そっか。でもねぇ…」

「え？」

「インテラ君が、占い師だなんて。」

まさか、バレるなんて。

「大丈夫！皆には言わないよ。」

弱みを握られたような不快感がインテラを覆った。