歪が這い寄る ページ25
「REN。」
淵はズルズルと足を引きずりながらRENの元へと来た。
RENは急いで中に入れて手当をした。
淵は幾分か元気そうな顔になった。
「淵、ここに何しに来たの？」
「勿論依頼だ。」
紙をぺらっとRENの前へ出して淵は微笑んだ。
そこには殺してほしい奴の名前が書かれていた。
「何故、こいつを？」
「私の依頼じゃないさ、今朝ポストに入っていた。」
ガタッと席を立った淵はフラフラと窓へと歩み寄る。
窓の外は快晴の藍色と不気味なほど白い月が浮かんでいる。
まだ、満ちていない。
「…受けられない。」
「何故？」
殺してほしい人物の名前、
そこには自分が信頼する海、樹楊、時計屋。
ヒトエに関係する海と時計屋、悲惨な過去に巻き込まれた樹楊。
分かる、分かっていた。
同盟を誘った海はヒトエの友人だ、殺せという命も分かる。
時計屋はヒトエと親しい、とても。それだって分かる。
樹楊は、ヒトエ同様『被害者』だ。ただヒトエのように『加害者』でもあるのとは訳が違う。
樹楊が加害者なら、世界は何も言えなくなるだろう。
もっと加害者なのだから。
「時計屋だけでも、って…無理だよね。」
「この話、無かったことに…」
「残念、とても、とても。残念だよ、REN。」
淵は窓から離れ、ドアを向かい、そして振り返る。
酷く歪んだ顔だった。
「君とは、友達になれると思ってたのに。」
淵はそのままどこかへ消えた。
一人残されたRENは溜め息をついて海へ伝書鳩を飛ばした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
龍巳@キチガイ - 【 】nanashiさん» こわっ、てめぇ夜道には気を付けろよこの神文才野郎 (2017年2月9日 20時) (
レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)
【 】nanashi(プロフ) - 寄越せ。文才寄越せください。 (2017年2月7日 22時) (レス) id: 1572cb3dd0 (このIDを非表示/違反報告)
龍巳@キチガイ - 夜のお外だいしゅきさん» 減るわやめろ (2017年2月7日 18時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)
夜のお外だいしゅき - なぜだ。なぜくれない。いいだろう別に。お前の文才はちょっとやそっとじゃあ減らないだろう (2017年2月5日 21時) (レス) id: 2500df9be3 (このIDを非表示/違反報告)
龍巳@キチガイ - 夜の空気を吸い隊さん» 名前に笑った、そして嫌だ (2017年2月5日 20時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：龍巳@キチガイ | 作者ホームページ：ホームページの追加は禁じます。
作成日時：2017年1月31日 16時
