【鬼滅の刃】姉ちゃんは俺が守る。弐 (ページ43)

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捌拾陸話「瑠璃の夢」ページ43

side無し

何処か、誰かの夢の中。

少女は、ただずっと佇んでいた。

彼女が見た光景は、白銀色の色彩を持つ美しい青年が祝言をあげるポカポカとした幸せな夢。
だが不思議な事に、花嫁は彼女が己と繋いだ黒髪の女性では無かった。
全く見たことのない、知らない女性であった。

しばらく見惚れていたが、役目を思い出し少女は夢の境目まで走った。

走って、走り続けた。
その道中、一回も夢の主である黒髪の女性を見掛ける事は無かったという。
不思議に思いながらも、境目を切り裂いた。

その瞬間、少女の視界に広がったのは──···星空の元、一面に広がる銀世界であった。
何物にも耐え難い、解放的な美しい風景。
その風景に、少女は一瞬我を忘れて見惚れたがすぐに復活し目的の元へと歩き出した。

モブ「まだ、着かないのかしら……」

どうやら夢の主の無意識領域は随分大きい様だ。
辺り一面は美しい風景だが、流石にそれが歩いても歩いてもずっと続くとなるとだんだんと怖くなってくるもの。

その証拠に、だんだんと少女の顔が恐怖に歪んでいく。
もしかしたら自分は此処から出られないのでは無いか。
自分は今回で用済みで、このまま食べられてしまうのではないか。

そんな疑念が、少女の心に雪のように振り積もっていく。

だが、そんな事はありえない。
少女の期待を良い意味で裏切り、ようやっと見つけた"精神の核"は──目が覚めるような、真っ白な珠だった。

星空の銀世界では不思議と不自然に感じるそれは、動く訳でも逃げる訳でも無くただそこに佇んでいた。
だけど、少女は己の役目を忘れてはならない。

すぐさま鬼の錐を握り締め、その勢いのまま上から振り下ろした。
だが、脳天を突き抜ける様に振り上げられたそれは──核に落とされる事は無かった。

モブ「ッ？！」

「やめて」

見た感じ齢一桁の小さな少年が、彼女の着物の裾をクイクイと引っ張っていたのだ。
無意識領域に普通人が居ることは無い。

だが、意志の強いもの、異常に我が強いものなどの人物が無意識領域に人が存在するケースがあるらしい。

宝石の様な瑠璃色の瞳が、少女をじっと見つめた。

◇◇◇
誰かおらにネタを分けとくれ……(ヽ´ω`)

因みに白銀の青年が祝言をあげた相手はご想像にお任せします！