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ガラッと開いたドアの音。
本から目を上げると、大野がドアを閉めているのが見えた。
「大ちゃん。どうしたの」
相葉の呼びかけにも答えず、うつむいたまま歩いてくる大野。
少し前まで松本が使っていたベッドに座ると、顔を歪めて相葉を見上げた。
「やっちゃった。ニノが傷つくこと言っちゃった」
そう言うなり、泣きそうな顔になる。
あー、と小さく笑った相葉は手を広げた。
「おいで」
相葉の腕の中に飛び込んだ大野。
ぐす、とそのまま泣き出した。
「だぁーいじょうぶだって。ニノも大ちゃんのことは分かってるし、嫌いになることはないよ」
「でも、ニノがずっと気にしてたこと言っちゃった」
「大丈夫」
背中をぽんぽん、と叩いた相葉。
「ねえ、その体制で左腕は大丈夫なの？」
「ちょっと痛い」
「ダメじゃん。ほら」
大野の身体を起こして、ベッドの上に座らせる。
背中をさすって、また本に目を落とす。
「相葉ちゃん」
「ん？」
泣くばかりで何も言わない大野。
のんびり待つ相葉。
「相葉ちゃん」
「なあに？」
「相葉ちゃん、俺の班員になったこと、後悔してない？」
大野の言葉に、目を丸くする。
思ってもみない言葉だった。
大野はたまに、自分が班長であることを不安に思っているような発言をする。
「そんなわけないよ。大ちゃんの班でよかったと思ってる」
「でも、今こうなったの俺の班だから」
「違う。俺は何も後悔してない。みんなと出会えて、同じ班になれて、よかったと思ってるの。冗談でも、そんなこと言わないでほしいなあ」
そっか、と呟く大野。
「なら、いいんだけど」
「どうかした？」
「いや」
黙り込んでしまった。
よほど、二宮に対して言ったことを後悔しているのか。
何を言ったのかは分からないが、大野がここまで悩むということも珍しい。
「ニノのことなら大丈夫。大ちゃんは心配しなくていいんだよ。ニノもニノなりに色々考えてるだろうし」
「……うん」
「まあ、なんて言ったって大ちゃんは俺とニノの恩人だから」
そんな大ちゃんも落ち込まなくて大丈夫、と頭をぽんぽんと叩いた。
「そうだといいな」
不安そうな大野の声。
ふふ、と笑った相葉が読んでいた本を大野に差し出す。
「これ読む？ 面白いよ」
「何の本？」
「隊員じゃない人が書いた部隊の本」
「そんなのあるの？」
「うん。俺より大ちゃんが読んだ方が面白いかも」
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芙咲子(プロフ) - 合格おめでとうございます♪うちの娘と同い年ですね（笑）ホント決まって良かった！おめでとうございます！ (2020年3月9日 16時) (
レス) id: 588e77ad1d (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 西野えみぃ☆さん» ありがとうございます！ゆっくり更新していくので待っていてください。笑 (2020年3月9日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
西野えみぃ☆(プロフ) - 合格おめでとうございます！！同じ年だと言うことに驚きました！！小説の更新気長に心待ちにしています！！受験おつかれ様！！ (2020年3月9日 1時) (レス) id: 94d9a88e4f (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 芙咲子さん» ありがとうございます！世界観が好きという言葉、とても嬉しいです。のんびりゆっくりにはなりますが、これからも書き続けたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます！いえいえ、コメントをいただけるだけでもとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2019年1月7日 16時
