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九班の部屋に向かうと、「個人部屋へ」と札がかかっていた。
二宮は小さくため息をついて身を翻す。
普通はこうなのだ。
十五班のように、常に班割り当ての部屋にいる方が珍しい。
個人の部屋が並ぶ一角にたどり着き、松永の部屋へ向かう。
ドアをノックすると、だるそうな返事が聞こえた。
「二宮だけど」
そう声をかけると、沈黙の後にドアが開いた。
「やっぱり十五班の二宮か」
「雹隊に俺以外の二宮がいるなら知りたいね」
雹隊どころか、陸上部隊に他の二宮がいないことは知っている。
松永は肩をすくめて、壁に寄りかかる。
「はいはい。何の用？ 仕事なら渡したはずだけど」
「知ってんじゃないの？ 俺がここにきた用件ぐらい」
そう言うと、ドアを閉めようとするから二宮は足を挟んだ。
「逃げんなよ」
「用事ないんだろ？」
「ないなんて言ってないだろ」
「回りくどいんだよ」
「じゃあ単刀直入に言うけど、何でうちの班長と班員を襲った」
「言うかよ」
ちっ、と舌打ちした二宮。
どっちにしろ言わないんじゃないか。
「あっそう。じゃあ話変えるけど、仕事なら確認した。もう一回データまとめて持ってきて」
「は？ 確認したんだろ？」
「雑なんだよ、あれは出してないも同然。他の班の情報担当者見習え」
「いや、他の班のやつは非戦闘員だろ」
「にしたって酷すぎるんだよ。九班に非戦闘員がいないのが悪い。あんなで報告書とか隊長に提出して、受理されるわけ？」
そう言うと松永は黙り込む。
となると、いつも突き返されているのだろう。
ため息をついた二宮。
情報担当の問題児なのだ。
「まとめ方が分からないんなら、聞きに来れば教えるのに。俺が嫌いなんなら、他の情報担当にでも聞けばいい。そのぐらい誰だって教えてくれる。松永が戦闘員なのはみんな知ってるんだから」
「そうは言うけどな」
松永が苦笑する。
「二宮、俺らの班長知ってるだろ」
「山形？」
「そう」
「それがどうした」
「班長、極度の非戦闘員嫌いなんだよ。非戦闘員と話してるところを見ると不機嫌になってな」
「……ふーん」
腕を組んだ二宮。
「九班に非戦闘員がいないのはそういう理由？」
「そう」
「じゃあ今俺と話してんのもまずいんじゃないの」
「二宮は俺の上司ってことになってるから」
眉をひそめる。
「『上司ってことになってる』？ いや、俺普通に上司だけど」
「後輩じゃん」
「は？」
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芙咲子(プロフ) - 合格おめでとうございます♪うちの娘と同い年ですね（笑）ホント決まって良かった！おめでとうございます！ (2020年3月9日 16時) (
レス) id: 588e77ad1d (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 西野えみぃ☆さん» ありがとうございます！ゆっくり更新していくので待っていてください。笑 (2020年3月9日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
西野えみぃ☆(プロフ) - 合格おめでとうございます！！同じ年だと言うことに驚きました！！小説の更新気長に心待ちにしています！！受験おつかれ様！！ (2020年3月9日 1時) (レス) id: 94d9a88e4f (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - 芙咲子さん» ありがとうございます！世界観が好きという言葉、とても嬉しいです。のんびりゆっくりにはなりますが、これからも書き続けたいと思います。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
翠霞(プロフ) - orangeさん» ありがとうございます！いえいえ、コメントをいただけるだけでもとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2019年12月24日 13時) (レス) id: 89401d456b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2019年1月7日 16時
