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「別に君のことを困らせたいわけじゃないんや、ただ心配で…またあんなことがあったらと思うとっ…胸がズキズキ痛くなる…」
先輩は私を抱きしめた。強くはある、けれど優しく。
「…私、先輩がいるから今も頑張れてるんです。先輩のお陰で私はここに居る」
目の前にある制服を両手でぎゅっとしたら先輩の震えが止まった。
「…僕のお陰…?」
その問に答えること無く私は前に歩き出す。
「さ、始業時間に間に合いませんよ、早く行きましょ」
「あ、ちょっと待って!」
鞄を胸に抱え、バビルスへ向けて走った。
___
先輩と別れたあと、ゆっくりと地下への階段を降りていた。
「鐘が鳴るまであと2分…」
その時に教室に居ない場合、反省文やら何かがあるらしいけど、正直行く気持ちではなかった。
中腹辺りで階段の隅に座って足を抱え、顔を伏せる。
「…まぁいいか」
帰りまで誰も気づかないだろうし好都合。
目を瞑って冷たい壁にもたれ掛り、眠りについた。
___
「…Aが居ないな」
「ホントだ!どうしたのかな、入間ち知らない?」
「朝も会ったし何も無いと思うけど…」
「また図書館で倒れていたりしてないですかね」
「うーん…」
カルエゴ先生が溜息を吐いて名簿を閉じ、
「あいつは遅刻なぞしなかったが…そのうち来るだろう」
次は地下運動場で授業らしく、担当はカルエゴ先生だ。いつも通り、アズくん、クララと他のみんなで運動場へ歩みを進めた。
問題児クラスへの階段に彼女がいることに気づかないまま。
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アイリ - 続き楽しみにしてます! (2020年2月25日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - あ、ありがとうございます!面白かったです! (2020年2月25日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
沫梨(プロフ) - アイリさん» コメありがとうございます!結婚式ですね!了解です! (2020年2月24日 20時) (レス) id: 175b7a0ad4 (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - 夏祭り面白かったです!リクエストよろしいでしょうか?結婚式よろしくお願いします!これからも頑張ってください! (2020年2月24日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
沫梨(プロフ) - スイカバーガチ勢野坂さん» 遅れてしまい申し訳ありません!夏祭り了解しました!!コメありがとうございます! (2020年2月20日 21時) (レス) id: 175b7a0ad4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沫梨 | 作成日時:2020年1月5日 10時