兄さんとの電話 ページ26
「歪んでる」
なんて言われて普通は傷付くだろう。でも僕は違った。
「っふ…はぁ…!」
興奮した。周りから避けられ、横を通る時はヒソヒソ話しながら僕を見る。それだけでも体全体がゾクゾクしだしてしまって。
何年ぶりかに会った彼女も同じように怯えたり「異常者」だと言うのかと思ったら…
「…壊されないために頑張ります」
などと言った。今まで会った中で唯一僕を嫌わなかった女の子で。興奮じゃない別の感情が体を巡った。
___
「不思議な子やなぁ、君は」
家への道をゆっくり飛んでいる間思い出に浸っていたら電話が鳴った。
「はい」
「よぉ、キリヲ…どうだ?あの1年は」
「頑張ってますよ、「羽を出すんだ」って意気込んでました」
「なるほどなァ、そんな事まで手助けするって事はよっぽど好いてんだな」
「…兄さんに言われると、イラッときますわ」
「なんでだよ」
___
「第一、羽が出ねぇなんてよ、おかしいと思わねぇか?」
「今は半分まで出てるんやけど…羽で自分の体を支えられるか心配なんや」
「一応浮かべはしたんだろ」
「空を飛ぶ時は風の抵抗もあります、それに耐えられるかどうかが気掛かりで」
「…こっちも調べてみる」
「分かりました、お願いします」
電話はプツリと切れた。
「…はぁ」
___
「くしゅっ」
「大丈夫ですか」
「だ、大丈夫です…風邪なのかな?」
寝る準備をしていた私はオペラさんと話をしていた。
「他の家系について知りたいのなら図書館へ行ってみてはどうでしょう」
「明日行ってみます」
アミィ家だけ調べても分からないこともあるかもしれないから他の家系を調べようという結論に至った。
…先輩は弱くなんてない。測定なんかじゃ人の強さなんて測れないんだし。
「…先輩にも着いてきてもらおうかな」
今日みたいな事があったら…
「ううっ!ネガティブはダメ…ポジティブだよ私!」
頬を叩き、ベッドに潜り込んだ。
先輩ばかりに頼ってはいけない。
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アイリ - 続き楽しみにしてます! (2020年2月25日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - あ、ありがとうございます!面白かったです! (2020年2月25日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
沫梨(プロフ) - アイリさん» コメありがとうございます!結婚式ですね!了解です! (2020年2月24日 20時) (レス) id: 175b7a0ad4 (このIDを非表示/違反報告)
アイリ - 夏祭り面白かったです!リクエストよろしいでしょうか?結婚式よろしくお願いします!これからも頑張ってください! (2020年2月24日 18時) (レス) id: 9394df581f (このIDを非表示/違反報告)
沫梨(プロフ) - スイカバーガチ勢野坂さん» 遅れてしまい申し訳ありません!夏祭り了解しました!!コメありがとうございます! (2020年2月20日 21時) (レス) id: 175b7a0ad4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沫梨 | 作成日時:2020年1月5日 10時