鬼狩り12 ページ12
〜貴方サイド〜
1日目、2日目と、特に問題なく過ぎた。
日中は鬼が出てこないので、夜の立ち回り方について考える時間ができる。睡眠時間も確保できる。
私の場合寝なくても体力的には問題ないが、眠ると心が少し安らぐ気がする。
今まで人間的な生活を送ってきたので……まあ、気持ちの問題だろう。
夜になって鬼に遭遇すれば斬り、遭遇しなければ昼間に確保した食料を食べた。
日が経つにつれて見かけるようになったのは、最終選別参加者の亡骸。
鬼に敗れた子たちの、見るに耐えない姿。
私は気休めにしかならないと理解しつつも、骸を見つけるたびに穴を掘ってその子を埋めた。
貴方「!!」
そうして穴を掘っている最中、再び数体の鬼に襲われた。
「ひ弱そうな女だ!」
「柔らかくてうまいこと間違いなしだな!」
鬼たちはそう叫んで、嬉々として迫ってくる。
「俺が先に喰うぞ!」
「ああん!? てめえはさっき喰ってただろうが!」
「早いもん勝ちなんだよ!!」
そして、何やら喧嘩を始めた。
こんな人の滅多に入らない山では常に飢餓状態だろうし、たまに最終選別で入ってくる人間はこいつらにとって最高のご馳走なのだろう。
獲物を巡って内輪揉めするほどに。
まあ、その方がこちらとしてはやりやすい。
貴方「雷の呼吸___弍ノ型・稲魂」
一気に距離を詰め、連撃を食らわせる。
体を引き裂かれた鬼たちは悲鳴を上げたが、私が止めとばかりに頸を斬り落とすと、動かなくなった。
____
そうしてさらに日数が経ち、6日目の夜。
あと1日でこんな山ともおさらばできる……そう思いながら、私は薪を重ねて火を焚いていた。
日が沈む前に川でたくさん魚が取れたので、新鮮なうちに焼いて食べたくなったのだ。
この火はいろんなものを寄せつけてしまうだろう____鬼とか、他の選別参加者とか。
鬼なら斬ればいいし、参加者なら魚をお裾分けすればいい。
貴方「……ん?」
早速誰か来たみたいだ。気配がした方に視線を向ける。
その人は____
貴方「あれ? 蜜璃ちゃん!」
蜜璃「なーんだ! Aちゃんだったのね!」
最終選別前に友達になった、蜜璃ちゃんだった。
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サリア(プロフ) - きのこさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年3月2日 11時) (レス) id: 5231526d40 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - この作品超好きです!!更新頑張って下さい! (2020年3月1日 23時) (レス) id: 45b1b66d37 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - ふ ろ ふ き 大 根さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!(*´∇`*) (2020年2月28日 19時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
ふ ろ ふ き 大 根(プロフ) - ストーリーめっちゃ好きです!!続き楽しみにしてます( ・∇・)更新がんばってください!! (2020年2月28日 16時) (レス) id: cfd0445662 (このIDを非表示/違反報告)
サリア(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます!神作品だなんて…嬉しいです(´∀`*) 更新頑張ります! (2020年2月27日 23時) (レス) id: 02855f94f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サリア | 作成日時:2020年2月26日 15時