【イナGO】魔法少年少女の戦いー２ー

救われる？ ページ1

〜貴方side〜



『キラキラ様』の調査を神童くんたちに任せ、地元で魔人狩りをしている時だった。


皆帆「Aは知ってるかい？ 例の噂」


魔法少年として一緒に魔人狩りに励んでいた、同じ天河原中の皆帆和人くんがそう尋ねてきた。


貴方「えー？ 何それ。噂とかウワサとか、最近よく聞くな〜。


ちなみにどんな噂なの？」


皆帆「稲妻町に行けば、魔法少女と魔法少年は救われるって話だ」


貴方「……救われる？」


歩道橋を渡りながら、皆帆くんは頷く。


皆帆「もう魔人と戦わなくてよくなるらしい。詳しいことは僕もよくわからないんだけど……


夢の中に、顔の見えない女の子が出てきて＿＿＿＿


『稲妻町に来て。そうすれば魔法少女と魔法少年は救われる』と言う。


そういう夢を見た人が、何人もいるんだって」


みんなが同じ夢を見る？ ……奇妙な話だ。私はそんな夢見たことないし。


それに救われるって……稲妻町で？ 魔法少女と魔法少年が？


戦わなくてもよくなる……命懸けな毎日を送っている私たちにとっては、確かに魅力的な話かもしれない。けれど。


貴方「そんなのあり得ないよ。だって今、稲妻町には強い魔人がたくさんいるんだよ？ それこそ、救われるのとは正反対だと思う」


稲妻町へ行った日のことを思い出しながらそう言い返すと、皆帆くんは真剣な表情で私を見た。


皆帆「そこなんだ、A。


複数の話が矛盾し合っている。矛盾しているのにどちらも噂として広がり続けている。妙だと思わない？


どちらかが間違えているのか、あるいはどちらも根拠のないデマなのか。僕はそれを確かめたい！」


貴方「皆帆くん……目が輝いてるよ」


推理ものが大好きな彼らしいといえばそれまでだけど。


でもこれでまたひとつ、稲妻町にまつわる怪しい噂話を聞くことができた。


念のため、神童くんたちにも報告するべきか。


でもその前に、本当にそんな夢を見た人がいるかどうか確かめてからの方がいいかな。


舟ヶ丘市の知り合いの魔法少女全員にメールしてみよう。


貴方「皆帆くん。私の方でも何かわかったことがあったら教えるけど……


くれぐれも無理しないでね？」


私がそう言うと、皆帆くんは笑った。



皆帆「わかってるよ。Aもね」

帰り道→

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