【イナGO】魔法少年少女の戦い (ページ48)

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百雷神社ページ48

～神童side～

その日の夜、俺たちは予定通り百雷神社に集まった。

すでに門は閉じられていたが、ジャンプ力を駆使して乗り越える。多分霧野たちもこうしただろう。

そして周囲を警戒しながら、不気味なほど静かな参道を歩いていく。

剣城「夜の神社……初めて入りました」

浜野「俺も～。ちゅーか結構雰囲気あるね」

やがて二の鳥居と拝殿が見えてきた頃、気づけば俺の手には絵馬と筆が握られていた。

［さあ書いて。アナタが会いたいと思う人］

［アナタが知りたいと思う人］

周囲の空間に異変が起きると同時に、奇妙な声まで聞こえてくる。

どことなく禍々しい気配を感じる絵馬だ。間違いなく普通の物ではない。

一体いつのまに握らされていたのか。

神童「どうやら、ここに名前を書いてから参拝に来いということらしいな」

誰の名前を書くべきか。俺はもう決めていた。

剣城「霧野先輩……ですか？」

まるで見透かしたように剣城が訪ねてくる。

神童「……まあな。天馬の名前はお前が書くんだろう？」

剣城「そうするつもりでした」

お互い考えていることはお見通しのようだ。俺が笑うと、剣城もつられるように笑った。

剣城「ですがもちろん、情報を教えてもらったとしても真に受けるつもりはありません。相手は得体の知れない"ウワサ”ですから」

神童「そうだな、気をつけなければ。……浜野」

浜野「ん？」

俺はあることを考え、誰の名前を書くか悩んでいたであろう浜野に声をかける。

神童「お前は名前を書くな」

浜野「ええっ！？なんで？」

神童「何があるかわからない。念のため、お前は何も書かないでおいてほしいんだ」

そう言うと、浜野は納得したように頷いた。

浜野「そーゆーことね。了解！」

俺は『霧野蘭丸』と書き、剣城は『松風天馬』と書く。

剣城「知りすぎた者は怒りを買うとされています。恐らく質問しすぎると、良くないことが起こる。

それを逆手に取れば、元凶である敵を誘い出すことができるかもしれません。危険は伴いますが」

神童「そうだな。俺たちの目的は、この現象を引き起こしている元凶を突き止めて倒すことだ」

絵馬を握ったまま、俺たちは参拝をするべく真っ直ぐ拝殿へと向かった。