日常 ページ5
〜貴方side〜
＿＿＿＿願い事。
それは、私たち魔法少女にとって大事なものだ。自分の願いを守るために私たちは戦い、命をかけるのだから。
たったひとつの願いのためなら、命だってかけられる。それが魔法少年、魔法少女。
それなのに……私は今。
戦う意味を、見失っている。
＿＿＿＿
貴方「てやっ！！」
武器であるステッキを振ると、光の粒が幾つも出現し魔人を襲う。この光の粒に当たった魔人はダメージを受けるだけでなく、一瞬身動きがとれなくなる。
その隙に、同じ地区に住む魔法少女仲間の真子が攻撃を仕掛ける。
そうして連携して魔人を倒すのが、私たちの日課だ。
貴方「今だよ！」
真子「OK！！」
真子が揺れ動く足場でなんとか姿勢を維持し、魔法少女の脚力を駆使してジャンプする。
忙しなく動き回る鉄屑のような黒い障害物に、魔女の子分である使い魔の攻撃。これらをかわしつつ、魔人の視界に入らぬよう背後に回り込んでいく。
真子がトドメの一撃を加えると、魔人はゆっくりと倒れて消え去った。
主人を失った魔人の結界が歪み、消滅する。
真子「やった！倒せた〜！」
貴方「今日もお疲れ様！」
戦いが終わる頃には、空はすっかり夕焼けの色に染まっていた。私は今日も無事魔人を倒せたことに安堵しつつ、地面に落ちたグリーフシードを拾う。
報酬のグリーフシードは2人で分けっこする。これで穢れを浄化しなければ、魔力を維持できず戦えなくなってしまうのだ。
2人分の穢れを吸収したグリーフシードはすぐ使い物にならなくなるので、そばにいたキュゥべえに回収させた。
貴方「それにしても最近、舟ヶ丘市の魔人の数が少なくなった気がするよ。私たちの出番は減るけど、いいことだよね」
魔人に襲われる人が減るってことだし。
私が何気なくそう口にすると、真子は笑顔から一転、真剣な顔つきになる。
おっとりとして明るい彼女がそんな表情をするのは珍しく、私もつい口を噤んでしまう。
「あのさ……Aは知ってる？ 隣町の……稲妻町での噂の数々を」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サリア | 作成日時：2020年2月6日 21時
