05 戸惑い兎 ページ6
「ありがとう。鏡花で、いい」
ビスケットを受け取って、私は真っ直ぐ見つめて云う。
するとAさんも、見つめ返して来て。
【さん付けの方が楽だけど、分かった。貴女は特別ね、鏡花。】
「うん」
「早速仲良しみたいだね」
あの人が話し掛けてきた。2人に挟まれると、なんだか心が軽くなる。
「……私、用事を思い出した」
むずがゆくなって、その場を離れる事にした。屋上にでも行こう。
ぱたぱたと扉から出て行った鏡花を、敦が心配そうに見つめる。
「あ、鏡花ちゃん……なんか済みませんAさん」
【大丈夫。】
ニコリと微笑んで、帽子を被り直し、Aは端末を見せる。
【鏡花はまだ此処に入ったばかりだからね、しょうがないよ。敦君と同棲始めたのも、昨日位でしょ?」
今日初めて会った筈なのに、もう既に最初から一緒にいたかのような発言。
それは彼女の異能力と、関係があるみたいなんだけど。
「まあ、敦にとッては、ある意味先輩で、ある意味後輩だからね」
「…………え?」
敦がとぼけた顔をすると、事務所の扉が開いた。
「ただいまですー!」
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neko - 江戸川乱歩様、貴方には異能力が全く御座いません。サッパリです。 (2020年10月1日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
午(プロフ) - マカロニさん» マカロニ様、ご指摘ありがとうございます。早速プロローグにさせて頂きました。この様に切ない技量ですが、更新頑張りますので宜しくお願い致します! (2019年12月30日 11時) (レス) id: 51ec71086f (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コメント失礼します。第一話のエピローグはプロローグの間違いではないでしょうか?(エピローグは終わりの時なので……)初コメントがこのような形ですみません。更新頑張って下さい。 (2019年12月30日 8時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:午 | 作成日時:2019年12月22日 22時