検索窓
今日:1 hit、昨日:29 hit、合計:99,099 hit

03 鏡の中の彼女だけの国 ページ4

その事件の目撃情報とやらを、Aさんは記憶から探すように、指差しと端末の文章で、乱歩さんに教えていく。


 それは、本当に、僕たち武装探偵社が欲しかった情報達であった。


「よし!Aちゃんのお陰で、もう真相解っちゃった!流石僕!君は、何でも知っているんだからねぇ、有能だねぇ、僕の次に!」


「な、何で」


 敦は、吃驚顔で尋ねる。


「な、何で……知ってるんですか? そこ、立ち入り禁止区域だったり、一般の人が入れない場所なのに……」


 そう。
 その事件が起きた場所は、敦が云った通りの場所。

 それはまるで、ヨコハマ全体の物事を分かっているような、そんな雰囲気で。

 何故、彼女は知っているのか?


「ああ。彼女の只の異能だよ」

「只の異能って」


 乱歩さんは云う。


「Aちゃんの異能は、異空間系でもかなり強力な奴でね。社では重宝しているよ」


 乱歩さんが得意になった顔で、彼女の肩を抱きながら説明を始める。


 と思ったが。


「説明、面倒だな!まあ何れ分かるさ!さあAちゃん、お仕事したから、社長の所、行こうね!」

「…………」


 Aは溜息をついたような顔をし、そのまま2人は、退室して行ってしまった。


「凄い……出社して早々に事件を解決の方向へ結び付けるなんて……僕も頑張らないと」


 尊敬の眼差しを、彼女が出て行った扉に向ける敦に対し、鏡花は訝しげな表情をしている。


「どうしたの?鏡花ちゃん」

「何か……知っている空気を感じたけれど、分からないから、良い。あ、あと」


 鏡花は呟く。


「とても、甘い香りがした」

「あ、そ、そういえばそうだね。お菓子みたいな、他にも何か複雑な……じゃあ、僕らも戻ろうか」


 鏡花と敦の感じたモノが、それぞれ何かは全く解らないが、とにかく二人して、会議室へ戻っていった。


 誰もいない資料室の、灯りを消して。

04 仔猫の様に→←02 棘持つ少女



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
104人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎 , 江戸川乱歩   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

neko - 江戸川乱歩様、貴方には異能力が全く御座いません。サッパリです。 (2020年10月1日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - マカロニさん» マカロニ様、ご指摘ありがとうございます。早速プロローグにさせて頂きました。この様に切ない技量ですが、更新頑張りますので宜しくお願い致します! (2019年12月30日 11時) (レス) id: 51ec71086f (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コメント失礼します。第一話のエピローグはプロローグの間違いではないでしょうか?(エピローグは終わりの時なので……)初コメントがこのような形ですみません。更新頑張って下さい。 (2019年12月30日 8時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2019年12月22日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。