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25 燃える闇 ページ26

「よォし」


 第一声を発したのは中原中也。
 完全にやる気勢。


「探偵社はオレがやる――先ずは太宰。つーか太宰。アイツはオレが仕留めるから、他の奴らは手ェ出すなよ」


 相変わらずである。
 といっても、部下の前でこんな態度は珍しい。

 太宰さんが捕まってた、ポートマフィアに潜入していた時、痛い目に遭いまくったからね……。


 どうしよう、この人凄く強いから、


 マフィアだけならず、
 組合にも狙われたら……


 あの敦君がいても……
 乱歩さんがいても……


「中原君……尾崎幹部は」

「あァ」


 広津からの問い掛けに、歩きながら彼は答える。


「姐さんは多分、迎えに行ッてンだろ?」

「……成程」


 それだけの会話。
 だけで。


「…………」


 鏡花、を?
 Aは脳内の記憶を探る。


 確かに、鏡花の事を、尾崎さんはとても可愛がっていた。
 でも、鏡花はもう、


 マフィアに戻りたくないと、
 人を殺したくないと、
 あの列車で、云ってたから。


「…………」


 いつも通り情報を手に入れて、
 いつも通り情報を伝えて。


「…………」


 でも、もう、それだけでは。


 駄目なんだ。


 Aは、一人自問自答し、
 その鏡の世界の工場跡を抜け出す。


 伝えなきゃ。
 守らなきゃ。


 そして、現実の街に出た。


 私が、


 今度こそ、
 私が――皆を。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎 , 江戸川乱歩   
作品ジャンル:アニメ
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neko - 江戸川乱歩様、貴方には異能力が全く御座いません。サッパリです。 (2020年10月1日 14時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - マカロニさん» マカロニ様、ご指摘ありがとうございます。早速プロローグにさせて頂きました。この様に切ない技量ですが、更新頑張りますので宜しくお願い致します! (2019年12月30日 11時) (レス) id: 51ec71086f (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コメント失礼します。第一話のエピローグはプロローグの間違いではないでしょうか?(エピローグは終わりの時なので……)初コメントがこのような形ですみません。更新頑張って下さい。 (2019年12月30日 8時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年12月22日 22時

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