02 棘持つ少女 ページ3
「えっ！？」
それはかなりホラーで、ファンタスティックな光景で。
その細長い指から腕、下の方からは白のパンプス、檸檬色のスカートが翻り、黒髪が靡いて、涼やかな横顔が見える。
会議室の資料棚の硝子から、少女が出てきたのだ。
「…………………」
鍔の大きな白い帽子を被った彼女は少し、不機嫌そうだった。
手に何か、包みを持っている。
界(さかい)A―――――。
―――能力名「透明の園」。
「彼女はAちゃん！太宰よりは早く居たと思う！
可愛いでしょ！あと料理もすっごく上手くて！」
テンションハイな名探偵。
乱歩さんにここまで云わしめるなんて……この人は……一体？
「僕の御嫁さでっ？！」
「…………」
その手刀は、乱歩さんの顎に軽くヒットした。
「……………」
そして、敦と鏡花に向き直り、Aがポケットから取り出した端末の画面に書いてあったのが。
【私の名前は、界Aです。】
そしてスライドされて、
【宜しく。中島君、泉さん。】
自己紹介と、挨拶だった。
「あ、よ、宜しくお願い致しますAさん！ 敦で大丈夫です！」
「宜しくお願いします。鏡花でいい」
自己紹介をしていないのにも関わらず、名が表記されていたことに吃驚しながらも、咄嗟に答える2人。
「あれ……Aさん、もしかして」
一瞬ふっと笑ったAの表情に、敦はしどろもどろするばかり。
黒髪を翻し、Aは乱歩に対する。
「ちょっとAちゃん照れてるの？人前だからー？えっとね、これなんだけどね」
乱歩さんが誰かに資料を見せるという行為が吃驚であるが、その前に、なんか物理的に近くないか？
乱歩さんが滅茶苦茶くっついていっている。
それはまるで恋人、と云うよりは、妹の事が大好きな、兄の様で。
「…………」
Aは、資料を上から下まで読むと、こくんと頷いた。
「お、やっぱりあっちから視てたんだね！」
あっちから？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
neko - 江戸川乱歩様、貴方には異能力が全く御座いません。サッパリです。 (2020年10月1日 14時) (
レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
午(プロフ) - マカロニさん» マカロニ様、ご指摘ありがとうございます。早速プロローグにさせて頂きました。この様に切ない技量ですが、更新頑張りますので宜しくお願い致します！ (2019年12月30日 11時) (レス) id: 51ec71086f (このIDを非表示/違反報告)
マカロニ(プロフ) - コメント失礼します｡第一話のエピローグはプロローグの間違いではないでしょうか？(エピローグは終わりの時なので……)初コメントがこのような形ですみません｡更新頑張って下さい｡ (2019年12月30日 8時) (レス) id: 30ec427a94 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：午 | 作成日時：2019年12月22日 22時
