65 星の信 ページ25
国木田独歩の脳の回路が一時止まる。
「おい……なんだ？その配役は」
「いや、私が話題を振ってたら、突然、立候補で」
「自ら？なん、え？」
某日、某所。
他愛も無さそうな二人の会話にて。
何時もならそんな国木田の反応を楽しむのが太宰治の信条だが、今回は違う。
「とりあえず、こういう事で宜しく頼むよ」
「こうしたもどうしたも……」
頭を抱える。
仕事をサボって何日かしてやっと出社してきたと思えば、
太宰治は武装探偵社に、
ある“お願い”をしてきた。
それは、いつもふわふわ抜かしていたものとは違うもので。
意志ある、
意思ある、
彼の言葉は。
本当に。
「本当に、その石Aは」
「その為の、催しだよ、国木田君」
いつもとは本当に違う彼の雰囲気に、気圧され、愕然とし、長考を増やす。
奴が言うには。
必ず、社の為になるからと。
必ず、街の為になるからと。
「責任は全て私が取るってやつだから、大丈夫大丈夫！」
の割には気楽。
相も変わらず、である。
「お前……やる気はあるのか」
「当然さ！」
「………………」
もう、質疑応答等何も意味を持たないだろうと、国木田は最後の問いかけをした。
「まあ、人手が足りないのは事実だとしても……そこまで彼女に、お前が拘る理由は、なんだ」
ぱちくりと。
なーんだそんなことか、という顔の後、
かなり、かなりの時間を使って、人差し指を立て、太宰は言う。
「Aちゃんを救うのは、
この私、太宰治である。
そして彼女に伝えねばならぬことがある。
それだけさ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 377人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
午(プロフ) - 雪さん» 雪様、ご感想ありがとうございます！ 文章が綺麗っていわれてとーっても嬉しいです！ 雪様にお会い出来て良かったです！ また遊びに来てください！ (2023年3月29日 22時) (
レス) id: 26aa10f063 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - めちゃくちゃ感動しました…語彙力ないせいで上手く言葉に出来ないのが本当に悔しい…本当に文章が綺麗で惹き込まれます…この小説と出会えてほんとうに良かったです…( ; ; )♡ (2023年3月29日 5時) (レス) @page49 id: 235d41d493 (このIDを非表示/違反報告)
午(プロフ) - yuriさん» yuri様初めまして、ご感想ありがとうございます！やばいくらい泣かれましたか……うぉぉありがとうございます！夢主を幸せに出来ました、思う存分叫んでください！これからも頑張ります。ありがとうございました！ (2021年4月19日 23時) (レス) id: 4dcd31a7db (このIDを非表示/違反報告)
yuri(プロフ) - はじめまして！初めてこの作品を読ませていただいたものです！感想を一つ２つ言いたいのですがあの泣きましたすごいもおあのやばいぐらいはい。それでもう一つ夢主ちゃん最終幸せに生きれてよかったねぇて叫びたい└(^o^)┘ではこれからも応援してます！頑張って下さい (2021年4月19日 20時) (レス) id: 2cc33a2b3d (このIDを非表示/違反報告)
午(プロフ) - シオリ様、ご読了と感想についてのご質問有難うございます！小説用Twitterはありません！既に下記文面で喜んで頂けた事が判明しているので、宜しければ此方にご感想を書いて頂くか、何もしなくても大丈夫です！お気軽に、宜しくお願い致します！此れからも頑張ります！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 4dcd31a7db (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：午 | 作成日時：2019年7月14日 14時
