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中原中也  タピオカ【ウミソラ様Req.】 ページ16

「で、この会食、予定がズレ込んで来ちゃってね」

「だから私は早う決めよと」

「首領、この日は如何でしょう」

「これ中也、また甘やかして」


 頭上をゆるふわな会議が飛び交う。Aは参加メンバーにも関わらず、卓の上で突っ伏していた。


「A君どうしたの?調子でも悪いのかい?」

「只の糖分不足です」

「おやおや」


 携帯を取り出す森。その髪型はエリス嬢に遊ばれのか、とても可愛いらしいものになっていて。


「広津さんにお茶持ってきてもらおうか」

「では、私は梅昆布茶」

「俺は珈琲で。A、手前は?」


 全員の視線を感じながらキラリと目を光らせ、彼女は言う。


「タピオカ焙じ茶ラテ」

「「…………」」


 女性客に紛れ、広津がタピオカを買いに行く様を想像する一味。


 …やっべえな。


 そして十分後、上の空の広津が到着した。


「わーいありがとう広津さん!あ、パッケージ可愛い!」

「…それはようございました」


 幹部の我儘に付き合わされる身にはなりたくないなと、その場にいる者は全員思った。


「A、またそれかよ」

「今日は焙じ茶だよ」

「そっちじゃねェよ」


 ちょっと苛つき気味の中原は自身を落ち着かせる様に珈琲を含んだ。そんな彼に、尾崎が耳打ちする。


「ほほっ、中也は最近Aに構って貰えないから、焼き餅かぇ?」

「…そんなんじゃないです」


 そんな会話は露知らず、Aは眼前のタピオカに見入っていた。

 
 芳ばしさとほろ苦さの焙じ茶に、まろやかなミルクが合わさった和テイスト。

 そして黒真珠の様に輝くタピオカ。
 下の方に、ころころと沈んでいる。

 ストローで吸い込むと、喉越し滑らか、
 もちもち、ぷにぷにと、舌の上を踊る。

「大粒だー」

 食べ応えが良い。


 なんだこの集団、と見張りの立原は遠巻きに思考していた。


「じゃあ会議も煮詰まったし、解散しようかね」

「はーい、首領ありがとう!エリスちゃんに、髪縛るの上手だねってお伝え願います!」

「はぁい」


 ぞろぞろと人々は出ていき、ふと気づくと、部屋の中はAと中原だけだった。


「…………」

「ん」


 視線だけで、近づく二人。

 中也のほっぺに、Aはかぷりとかぶり付いた。


「もっちもちー」

「うるせェ」

「大丈夫、中也さんの事も大好きだから」

「手前には俺だけでいーんだよ」


 そうして静かに口付けした。


 苦くて、
 甘かった。

中原中也  ココア→←芥川龍之介&樋口一葉 卵包飯【月華様Req.】



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 短編集 , 甘い   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 体の90%がラムネさん» 体の90%がラムネ様、ご感想ありがとうございます!また三期でお待ちしております、宜しくお願い致します!更新頑張ってください! (2019年12月21日 23時) (レス) id: b0368434d0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 闇川幽鬼さん» 闇川幽鬼様、単品で織田作登場です!ありがとうございます! (2019年12月21日 23時) (レス) id: b0368434d0 (このIDを非表示/違反報告)
体の90%がラムネ - 初コメです!めっちゃ良きでした!!突然ですが、リクエストしたいですが…。ダメでしたね。すいません!また募集している時にいきます!更新待ってます!(自分も更新しろよと思う今日この頃) (2019年12月21日 13時) (レス) id: 8dd45af6f4 (このIDを非表示/違反報告)
闇川幽鬼 - 作之助様登場!!(*゚∀゚*)嬉しいです!(*^_^*) (2019年12月21日 0時) (レス) id: 56867ea8da (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 月瀬さん» 月瀬様、リクエストありがとうございます!只今からのリクエストは無効とします。ゆっくりで申し訳ありませんが、宜しくお願い致します! (2019年12月15日 11時) (レス) id: b0368434d0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年8月25日 17時

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