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48 傷、意味 ページ49

「あ、あの、もし、お怪我か何かあれば、私の異能で、治させて頂けませんか?」


 私に出来るのは、これくらい。


「あらありがとう」


 と、ルーシーは答えるも。


「でも結構よ。この傷は、駄目なの。なんでも、綺麗になくせばいいってものじゃなくてよ」


 少しだけ、優しい声色だった。


「この傷は、彼との繋がりなんだから」


 小さく言葉を続けたが、この近距離でもAには聞こえなかった。


「そうですか……」


 また、治癒を断られてしまった。


 でも、分かった。


 傷や怪我を治すことで、
 綺麗にはなるけれど、
 その為に治すわけではない。


 その人に笑顔になってほしいから、治すのだ。


 その想いまで消してしまわないように、私は、もっと気をつけるべきだった。


 私のすべき事、少しだけ、見えた気がする。


 Aは両手を離した。
 ルーシーはこちらを向く。仏頂面だったが、どこか、何か吹っ切れたような雰囲気だった。


「さ、貴女を最初のお部屋に帰して差し上げるわ」

「えへへ、ありがとうございます」


 人質がいるなら仕方がない。
 本当にそれで、いいのだろうか?


「アン、最後にこの哀れなお嬢さんに挨拶なさい」

「え、わ!」


 先程からそこに上品に座っていたお人形がゆったりと動いた。
 ワンピースを広げ、お辞儀をしてくれた。


「なんか……可愛らしい、ですね」

「ふふ、ありがとう。じゃあ……」


 突如。


「…………なっ、アン!」


 ルーシーが叫んだ。
 見ると、アンのその巨体を、何かが縛り上げていた。


「これは、葡萄……?」

「スタインベック……どうして!」


 気がつけば私達は、外にいた。


 安全な空間は、
 安全ではない、


 そう、それは。

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設定タグ:中原中也 , 芥川龍之介 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - リアさん» リア様、素敵なご感想とご指摘をありがとうございました!全然気付かなかったのでありがたいです。近いうちに修正します!またいつでも遊びに来てくださいませ! (2021年2月2日 23時) (レス) id: 4dcd31a7db (このIDを非表示/違反報告)
リア - 少し高圧的でしたかね?不快でしたら申し訳ない…更新頑張ってください!(唐突〜 無理矢理とか言うんじゃねぇ!) (2021年1月31日 23時) (レス) id: bba845c06e (このIDを非表示/違反報告)
リア - 凄く面白いですね!すぐ読み進めてしまいました!少し気になったのですが、34の所で夢主が芥川さんのことを龍之介さんではなく、芥川さんと言っていたのですが、これは意図的なものなのでしょうか?もし意図的にそうしているなら、すみませんが訂正されては如何ですか? (2021年1月31日 23時) (レス) id: bba845c06e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 徒花さん» 徒花様、ご感想ありがとうございます!頑張ります! (2019年6月30日 0時) (レス) id: b0368434d0 (このIDを非表示/違反報告)
徒花 - この作品初めて見ましたが面白かったです!頑張ってください (2019年6月29日 19時) (レス) id: 5d280f12f7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年5月14日 21時

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