いい目覚め ページ23
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『ん…』
「お、起きた?」
この髪色と口調…。
『ま、いきー…く』
「そうだよ」とニコッと笑うマイキーくん。隣には微笑んでいるドラケンくんも。
もう周りが暗い。すっかり夜だ。
「大丈夫か?」
優しい声が聞こえて、意識が覚醒すると自分は三ツ谷くんの背中にいることを気がつく。
『ぇっ…ぁ、ごめんっ…』
「いいんだよ、じっとしてろ」
すぐに下りようとしたけど、逃さないようにギュッと足にかかっている彼の手が強くなる。
『ごめんなさい、迷惑かけて…』
そう一言謝ると、固まってしまう3人。
私、何か変なこと言ったかな。
「Aってちょっとネジ欠けてる感じ?」
「すっげーな」
そう言って2人は少しというか、けっこうケラケラしながら笑っていた。
「本当、そういうところ尊敬するよ」
『え、わたし、なんか変なこと…』
「シシッ」と笑う三ツ谷くん。
「だって、俺と関わったからこんな目に遭ってるんだぜ?普通、迷惑かけたの逆だろ」
三ツ谷くんは笑いながら、でも眉毛を下げながら言う。
『…それは違うよ。私、三ツ谷くんと関わって凄く楽しいよ。嬉しいよ。学校行く意味がある』
言葉が全然綺麗にまとまらない。
『だから、三ツ谷くんは、素敵な人だから…。そういうこと、言わないで…』
「…ありがとな」
家に着くとすぐに下ろしてもらうと「本当に、すまなかった」と謝られた。
『ううん。私のために、駆けつけてくれてありがとう』
マイキーくんとドラケンくんにもしっかりお礼を伝えると「すまなかった」と真剣に謝るドラケンくん。
「ごめんね、A。巻き込んじまって」
『あ、謝らないで。確かに怖かったけど……でも、大丈夫だったし』
「いや、ちゃんと謝らせてくれ」
そう言って、マイキーくんもドラケンくんも三ツ谷くんも腰を折って謝罪する。
『や、やだ…やめてよ。私、3人と仲良くしてたい…のに』
「…ありがと。でも、これは俺たちの責任でもあるからさ」
困ったように笑いながらそう言うマイキーくん。
『…わかった。ちゃんと受け取った。でもこれからも仲良くしてくれる?』
「…うん」
少しだけ、苦しそうに笑ったマイキーくんに胸が痛んだ。
「……ケンチン、先帰ろう」
「そうだな」
「じゃ」と手を振って2人はバイクに跨って帰って行った。
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水原カノ(プロフ) - 釉夢さん» えー!ありがとうございます!(*^^*)がんばりますっ! (2021年9月18日 15時) (レス) id: e0da8650d9 (このIDを非表示/違反報告)
釉夢(プロフ) - じゅ じゅつの作品から飛んできました! 夢主ちゃん天然でかわいいですね!投稿頑張ってください! (2021年9月16日 22時) (レス) id: 04e2962a49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水原カノ | 作成日時:2021年9月16日 21時