私の運命の王子様！③【シャルナーク】 (ページ10)

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クリスマスまであと1週間。

今日はマチに付き合ってもらい、シャルのクリスマスプレゼントを買いに百貨店に来ている。

時期が時期なので、店の中はずっとクリスマスソングがかかっているし、私と同じ目的の人たちで溢れている。

「で、シャルナークさんには何あげるの？」

『うーん…決めてないんだよね…。』

何が欲しいかっていうのも直接聞けないので、ここ最近はネットでぶわぁっと探していたのだが、＂あれもいいなぁ＂＂これもいいなぁ＂なんてしているうちに、1週間前だ。

ううむ。

困った。

『決めていないのに付き合わせてごめんね。』

「気にしないで。Aのためだからね。」

マチはそう言い、「これは？」という風にマフラーを指した。

彼女が指した緑色のタータンチェックのマフラーを手に取った。

『うん、かわいい！』と答え、シャルがそれを巻いているのを想像した時だった。

「あっれー？シャルの彼女だぁ。」

振り向くと陽菜さんがいて、私と目が合うと小さく手を振った。

「ぐうぜーん。何買ってるの？」

『いや…えっと…。』

まさか会うとは思わず、驚きの方が大きくなり、口籠ってしまった。

マチには陽菜さんのことは言っておらず、＂誰？＂という風に首を傾げている。

「あ、まさか、シャルへのクリスマスプレゼント？

そのマフラーにするんだ？

へぇ…シャル、そのタイプのチェックはあまり好きじゃないんだけど。」

何か…マウンティングされている…よね？

私が知らないシャルの好みを言われ、軽くショックを受けた。

思わずマフラーに視線を落とすと、視界の端で陽菜さんがクスリと笑ったのが見えた。