私の運命の王子様！③【シャルナーク】 (ページ38)

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唇が離れると、シャルは鞄の中をごそごそとし始めた。

出てきたものは、ピンク色のリボンが結ばれた、白い小箱。

「本当はクリスマスの時に渡したかったんだけど…。」

それを受け取り、丁寧にリボンを解くと、雪の結晶のデザインのピアスだった。

嬉しい、嬉しい、嬉しい…。

『かわいい…。ありがとう、シャル。

今すぐ着けるね。』

「…俺がするよ。」

片方のピアスを手に取った瞬間、シャルが私の手からピアスを奪った。

そして自分の耳をトントンと叩き、＂耳、出して＂というジェスチャーをした。

私はサイドの髪の毛を耳にかけ、『お願いします。』と言った。

「まずは右からね。」

シャルの指が私の耳に触れる。

ピクッと体が反応してしまい、恥ずかしい。

次に左耳。

普段からピアスを着けているので、すごく手際がいい。

「はい、できたよ。」

『ありがとう。』

両手で両耳に触れる。

そこには確かにピアスがあり、嬉しくて自然と口角が上がってしまう。

どんな感じなのか見たくて、鞄から鏡を取り出そうと手を伸ばした時だった。

「A。」