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クリスマスの日から悲しかったり、悩んだり、毎日ずっと苦しかったのに…。
「はい、ココア。」
『あり…がと。』
シャルがすごく優しい。
いや、元々優しいんだけど…。
久しぶりでそう感じてしまうのだろうか。
「こっちおいで。」
ソファーに先に座ったシャルは、自分の隣をぽんぽんとした。
でも、私は隣に座らずに、床に座ってソファーを背もたれにした。
久しぶりにシャルを近くに感じられて、嬉しくてはしゃぎたい…。
でも、今は多分、私のご機嫌とりでやっているところもあって、それにまんまと喜んじゃうのって負けな気がする。
何の勝負かは知らないけど、これは私の意地だ。
「…ココア、熱くない？」
『ううん、大丈夫だよ。』
「そっか。」
そんな優しい目で見ないで。
たったそれだけで嬉しくなっちゃうから。
「A、隣に座って。」
『え…。』
「お願い。」
きゅう…と心臓が鳴った。
シャルのことが愛おしい。
私は机の上にマグカップを置き、シャルの隣に座った。
すると、彼は私の頬を両手で優しく包み込んだ。
「言いたいことがあるなら言ってくれないかな。
俺は超能力が使えないから、全部察することはできない。
謝っても、俺なりに優しくしても…世界で一番好きだって言っても…分からないんだ。」
そう言って、少し気まずそうに眉をひそめたシャルが愛おしくてたまらない。
私は彼の頬にそっと触れた。
『私も…世界で一番シャルが好きだよ。
意地張っちゃってごめん。
だって、シャルが近くにいるだけで嬉しくなるなんて、ずるいよ。』
シャルは喜びを噛みしめている表情が分かりやすく出ていて、下唇を噛みしめていた。
「___っ…キスするよ。」
『？！…んっ…。』
宣言してすぐ、シャルはチュッと優しく触れるキスをした。
ほわっと気持ち良くて、溶けてしまいそうだった。
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作者名：きなこもち | 作成日時：2021年5月2日 11時
