私の運命の王子様！③【シャルナーク】 (ページ33)

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【Aside】

キルアの通っている大学は芸大なので、個性的な人たちがたくさん出入りしていて、逆に私が浮いている気分になる。

「Aー！ごめん、遅くなって。」

キルアが走ってきて、私の肩にぽんっと手を叩いた。

「中で待っててくれて良かったのに。

寒かったんじゃないの？」

『いや、何かそわそわしちゃって。

はい、フォンダンショコラ。』

キルアは紙袋を受け取ると、満面の笑みになった。

「ありがとう！

俺、これ大好きなんだよなぁ！

てか、仲直りしたの？」

『……してないよ。』

私は口を尖らせ、視線を落とした。

「じゃあ、コレはシャルくんへのあてつけか？」

キルアに言われてカァッと顔が赤くなった。

そうだよ、あてつけだよ。

シャルに私の気持ち知ってほしかったの。

「だから、俺にしろって言ってんのに。」

キルアは大きな手で私の頬を掴み、むにゅっとしてきた。

そのことは、考えないように蓋をしていた。

キルアに対して申し訳なく感じ、視線を逸らす。

「俺、Aのこと好きだ。

……でも、やっぱりお前にはシャルくんがお似合いなんだよ。」

『…え。』

私は目を点にし、切なそうに微笑むキルアを見た。

「弱っているお前につけ込んだこと、反省してる。

アイツみたいに泣かせない自信はあるけど。

だけど、俺にはシャルくんを超えれない。

…頼んだぜ。」