私の運命の王子様！③【シャルナーク】 (ページ30)

今日:8 hit、昨日:9 hit、合計:16,711 hit

130 ページ30

【シャルside】

やっとAに会えた。

それなのに…。

「シャル、生きてるか？」

『…生きてる。』

机に額をつけて突っ伏している俺の真上から、クロロが話しかけてきた。

「どうせAちゃんだろ。

久しぶりに会ってどうだった？」

クロロにはクリスマスのことはもちろん、それ以来会っていないことを伝えていた。

クロロに「アホだろ。」と言われたのはきつかった…。

『…かわいかった。』

「いや、そうじゃない。

ちゃんと話せたかって聞いてんだ。」

久しぶりのAはかわいくてかわいくて仕方がなかった。

それと、あのお日様のような匂い。

どうにかなってしまいそうだった。

でも…。

「私は…話すこと何もないよ。」

話すことを拒否されてしまった。

ちゃんと謝りたい。

話したいんだ。

『話せてない。話したいのに。』

「弱ってるシャルはレアだな。」

クロロは茶化しながら、俺の頭の上に手を置いてわしゃわしゃと乱暴に撫でる。

真剣に話をされるよりも、こうやって茶化される方が気が楽だ。

クロロなりの気遣いだろう。

『ありがとね、クロロ。』

「褒めても何も出ないぞ。」

明日、Aにもう一度話しかけてみよう。