私の運命の王子様！③【シャルナーク】 (ページ28)

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【Aside】

「あけましておめでとう。」

『あけましておめでとう、マチ。』

短い冬休みが終わり、今日から授業の開始だ。

私は昨日の夜まで実家に入り浸っていたので、久しぶりに帰ってきた。

「もしかして今スマホの調子悪い？

電話しても繋がらない時があってさ…。」

『ああ、うん。何だか調子悪くてね…。』

シャルと元カノのことで微妙な空気になっているなんて言えず、笑って誤魔化した。

「ねぇ、シャルさんにプレゼント渡したんでしょ？
どうだった？」

マチに申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

一緒に選んでもらったのに渡せず、未だに私の部屋の隅に、紙袋のままで置かれている。

パウンドケーキは、クリスマスの日にゴミ箱に捨てた。

もったいなくて食べようかと一瞬は思ったが、食べれなかった。

『うん、喜んでくれたよ。』

「よかった。

あのマフラー、本当にかわいかったからね。」

マチを傷つけないための嘘。

自分を取り繕うための嘘。

もう、こんな小さいけど苦しい嘘はつきたくない。

「じゃあアタシはこっちだから、またお昼に。」

『うん、また後で。』

マチと別れ、教室に向かっている途中だった。

後ろから誰かに腕を掴まれたので振り向くと、真剣な表情のシャルがいた。