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「あのさ、どこの誰かさんか知らないけど首を突っ込まないでくれる？」
突然、マチが私の前に立ち、腰に手を当て、陽菜さんに噛み付いた。
「私？私はシャルの元カノ。
好みを知っているから、親切に教えてあげたんだけど？」
「ふーん。でも、シャルナークさんはAからのプレゼントなら、絶対にに喜んでくれると思うけど？」
「あー、そうだったね。
私があげたプレゼントも喜んでくれたもん。」
私を差し置いて、マチと陽菜さんの口喧嘩が始まってしまった。
私は慌ててマフラーを畳み、元の場所に戻し、マチの手首を掴んだ。
『マチ、行こっ。』
「え！？でも…。」
『いいから…！』
私はマチを引っ張り、陽菜さんの方を見ずに店から離れた。
「何なのあの人！イライラする！」
『ごめん、マチ…落ち着いて。
私のために怒ってくれてすっごく嬉しいんだけど、落ち着いて…。』
「だってAのことを馬鹿にしたようなあの言い方！
アタシ本当に嫌いだわ、あのタイプ。」
マチは腕を組み、頬を膨らまし、フンッと鼻息を出した。
私のためにここまで怒ってくれるなんて…本当に嬉しい。
「シャルさんもあんな人と付き合ってたなんて、見る目なさすぎる。」
『まぁまぁ…。』
別の店で別のマフラーを見ているのだが、陽菜さんの言葉が引っかかり、タータンチェック以外のを見てしまう。
「Aは何とも思わないの？」
『何とも思わないって思ったら嘘だけど…。
いちいち気にするのもなぁって思って…。』
そう言いながら手に取ったのは、黄緑色と黒のブロックチェックのマフラー。
これはかわいいのでは？
「あ、それかわいいね。」
『気に入ってくれる…かな？』
チラッと、不安そうにマチを見ると、彼女はニコッと微笑んだ。
「さっきも言ったけど、シャルナークさんはAからのプレゼントは絶対に喜んでくれるよ。
だから大丈夫。アタシが保証する。」
マチのその言葉に心が救われた気がした。
うん、これを買おう！
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作者名：きなこもち | 作成日時：2021年5月2日 11時
