俺と同じ翡翠色【シャルナーク】 (ページ38)

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宴ページ38

それからAがまだ眠っているというのに強化系の脳筋どもがバカ騒ぎを始めた。

俺はその場から少し離れたところでAを横に抱いてゆっくりしている。

ｼｽﾞｸ「ねぇ、シャル。

その子一回抱っこさせてくれない？」

と、シズクが輪を抜け出してこちらにやってきた。

彼女もAに興味があるらしい。

ｼｬﾙ「いいけど落とすなよ。」

そう注意してからシズクにAを渡した。

あまり揺らさないように慎重に。

ｼｽﾞｸ「うわっ、結構軽いね。」

ｼｬﾙ「まあ、あまり胃袋が大きくないみたいだからね。

食べたくても食べれないんだと思う。」

するとAの瞳が薄らと開いた。

ｼｽﾞｸ「あ、起きたみたい。」

おはようと真顔で言い放つシズク。

それを起きてすぐ見たAは少し怖がっていた。

次第に瞳が涙で濡れていく。

ｼｬﾙ「ちょっ、シズク。

一旦俺にパスして。」

と、半強制的にAを取り返す。

俺の顔を見るや否やAの顔つきは少しずつ穏やかになっていった。

ｼｬﾙ「ははっ、おはよう。A。」

『シャル、おはようございます。』

俺は彼女を地面に立たせた。

ｼｬﾙ「顔は見たことあると思うけど名前はまだ知らないよね。

この眼鏡の子はシズク。」

ｼｽﾞｸ「よろしくお願いします。」

と、深々お辞儀をするシズク。

その丁寧さに驚いているA。

何だかこの組み合わせ面白いかも。

ｼｬﾙ「で、こっちの少女はA。」

『よろしくおねがいします。』

と、Aもシズクと同じように深々とお辞儀をする。

礼儀正しいのは二人とも同じようだ。

でもAはまだシズクに対する警戒が解けない。

俺の後ろで軽く震えている。