ヒソカside ページ26
【ヒソカside】
さっきの殺気すごかったなぁ。
あんなにとてつもない殺気を一気に向けられたら興奮しちゃうじゃないか。
さっきから抱き上げている少女はグスグス泣きながら大人しくしていた。
それもそのはず。
僕は全力疾走で走っているため空気抵抗があってか身動きがほぼ取れない。
しばらく走ること30分。
僕はとある山に来ていた。
勝手に重い門を開けて敷地内に足を踏み入れる。
すると門を開けてすぐ鋭い何かが飛んできた。
僕はそれを片手で捕える。
もちろんもう片方の手では彼女を支えてるよ。
ﾋｿｶ「突然ひどいじゃないか♢」
？「ヒソカならあんなの造作もないだろ。」
ﾋｿｶ「君も十分すごいよ、イルミ♤」
ｲﾙﾐ「ヒソカに褒められても素直に喜べないなぁ。」
ﾋｿｶ「誰に褒められても嬉しくないくせに♡」
ｲﾙﾐ「あ、バレた？」
てかその子ども誰、とイルミは彼女を間近に見る。
ﾋｿｶ「やめてくれ、彼女が怖がっているだろう？♤」
ｲﾙﾐ「今まで怖がらせてたお前が言う？」
ﾋｿｶ「え、怖がってたの？♢」
そう彼女に聞くとビクッと肩を震わせて俯いてしまった。
その怯える姿に又もや興奮してしまう。
ああ、早く壊したい…。
ｲﾙﾐ「やめときなよ、その子どんな能力持ってるか分からないから。」
ﾋｿｶ「どうして僕の考えてることが分かったんだい？♤」
ｲﾙﾐ「結構絡んでるし大体は思考が読めるようになってきた。」
ﾋｿｶ「さすがだね♡
実はこの子、蜘蛛から奪ってきたんだ♤」
ｲﾙﾐ「は？馬鹿なの？
なんで自ら死に行くようなことするかなぁ。」
ﾋｿｶ「その方がスリルがあっていいだろう？♢」
ｲﾙﾐ「そうだ、ヒソカはそういう奴だったね。」
とりあえずついてきなよと先頭を歩き出すイルミ。
僕は素直に後を追う。
彼女はずっと僕の腕の中で震えていた。
この子が能力を持っているなんて考えにくい。
でも蜘蛛がわざわざ匿ってるってことは何かしら蜘蛛にとって利益があるからに違いない。
ああ、この子を壊したら蜘蛛の皆は怒って僕を殺しにくるだろうな。
楽しみだ。
でもここで殺すのは惜しい気がする。
僕は殺意をグッと堪えてイルミの後を追った。
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作者名：きなこもち | 作成日時：2021年4月16日 17時
