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そう告げる彼、シャルナークに悪気はないと分かっていながらも少し気分が下降してしまう自分がいる。
『どうしてだと思う？』
敢えて自分から言わずに問い掛け式で彼らの回答を聞くことにした。
「俺は…Aも俺たちと同じ処遇だったからだと思う。」
クロロが遠慮がちに言った。
『ほう…。』
「俺たちは物心ついた時から施設にいた。
毎日毎日実験体としてたくさんの苦痛を与えられてきたんだ。
それが何年か続いてるうちにいつからか何も怖くなくなった。
シャルナークとフェイタンは実験とか注射は怖かったみたいだけど俺は怖くなかったんだ。」
淡々と話す彼を見ているとどうやらこれは本当のことらしい。
彼は語り続けた。
「そのときの諦めた俺の瞳と今のAの瞳がそっくりなんだ。
だからAも俺たちと同じく何かを諦めているような…そんな気がする。」
まさかこんな小さい子どもから最もな考えがすらすらと出てくるなんて誰が予想できただろうか。
彼の瞳は私を捉えて離さない。
まるで嘘はつくなと言っているようだった。
私は弧を描いて笑うと彼らに向き直った。
『半分正解で半分不正解とでも言っておこうかな。
さっきクロロが言ってた“何かに諦めている”ってのは本当だよ。
それ以外は……ふふっ、どうだろうね。』
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きなこもち(プロフ) - ダチュラさん» ありがとうございます(*'ω'ﾉﾉﾞ (2021年5月28日 6時) (
レス) id: 9b397e807b (このIDを非表示/違反報告)
ダチュラ - 初見です！！御伽噺の遠回しな表現が、すごい……！！ (2021年5月27日 22時) (レス) id: d99cf3ac4a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2021年4月4日 20時
