いいんですか？ Ren.N (ページ29)

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「あ、そういえばこの前の女の子、大丈夫なの？」

御用達のコンビニ。いつものツナマヨおにぎり2個。いつものレジのおばちゃん。通い詰め過ぎて、おばちゃんとは、もはや世間話に花を咲かせる仲。

『唐揚げひとつ』と言いかけたところで投げかけられた質問。女の子？誰のことや？

『誰のことっすか？』

「この前ここの傍のベンチで倒れてた子いたじゃない。あの子大丈夫？」

『ああ！あいつなら、まだ退院できてないっすね。』

「可哀想よね～。あんな目に遭ったら怖くてしかたないわよね？」

おばちゃんがおにぎりを袋に詰めながら、そんなことを言う。なんや？全く話が見えないんやけど？

『あんな目？』

「そうよ。男の人に平手打ちされてたじゃない。
怒鳴り声聞こえて、ここから出て見たてみたら、女の子が倒れてて。
助けなきゃと思ったんだけど、私も、あんなとこ初めて見たから怖くて固まっちゃったわよ。」

怒鳴り声？確かにインフルの治癒証明証貰いに来たとき、怒鳴り声聞こえた気がしたけど、音源ここやったんや。

…ってか、平手打ち？だからほっぺた腫れてたんか？

『それ、ガチっすか … ？』

「え！？知らなかったの？なんだあ～、永瀬くんすぐ走って来たから、見てたんだと思ってた。言ってあげれば良かったねえ～。ゴメンね！」

おいおい、おばちゃん！それを早く言ってくれや！今まで何回、朝会ったと思っとんねん！

『おばちゃん！それ戻しといてええから！』

俺はまだ会計されていないツナマヨおにぎりをよそに、コンビニを飛び出した。