大変なこと ページ6
今、私の目の前には銀さんが居る。
「何があった」
真剣に私の目を覗き込む銀さん。
銀さんの瞳に写る私の顔を見ると、酷く不安そうな顔をしていた。
・・こりゃ銀さんも心配するわけだ。
「だから、何でもないって!」
そんな自分を振り払って、無理に明るくとりつくろえば、銀さんはやれやれとため息をついた。
「下手な嘘つくんじゃねェよ」
ワントーン下がった銀さんの声に、また、びくりと肩を震わせれば、銀さんはいいから話せと。
私は観念して口を開いた。
「神威に、会ったの」
その言葉に、銀さんは目を見開いた。
「神威ってそりゃお前・・」
「この前のお祭りの時に、初めて会ったの。その時は阿伏兎も一緒だった」
私の言葉一つ一つに真剣に頷く銀さん。
「春雨が江戸にっつーことか」
「それだけじゃなくて、」
――
神威に言われたことを銀さんに告げれば、銀さんはひどく吃驚したような表情になった。
「なんで、お前の名前・・」
「わかんない」
わからないけれど、良い予感はしない。良い予感どころか、大変なことが起きそうな、そんな予感がするのだ。
それは、銀さんも一緒のようで、
「とにかくお前は一旦自分の家に帰れ。アイツの目的は俺たちで突き止める。それまでお前はこっちに来ねえ方がいいかもな」
「それなら私も一緒に・・」
「こーいうのは万事屋銀さんに任せろって」
「でも、」
銀さんと暮らせた毎日は、とても楽しかった。
長いこと一緒に居ると、それが当たり前のことになっちゃっていて、また画面越しの元の生活に戻るのは、なんだか気も引けた。
夏休みはあと半月しかない。
「ちゃちゃっと解決してやるから」
銀さんのニカっとした笑みに、後押され私は仕方なくうなずいた。
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微糖。 - 面白いです。続き待ってます。 (2020年5月31日 20時) (レス) id: 7154107f34 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 今までで1番好きな物語です!更新楽しみにしています。 (2020年3月29日 11時) (レス) id: cd8046c6bb (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - ソマリさん» ありがとうございます。これからもよろしくお願いします (2020年2月16日 22時) (レス) id: 9618de47fb (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 淋さん» ありがとうございます。楽しんでいただけているようでうれしいです (2020年2月16日 22時) (レス) id: 9618de47fb (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - モンスターエナジー愛好家さん» 更新長らくお待たせしました。ありがとうございます (2020年2月16日 22時) (レス) id: 9618de47fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神阿 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/
作成日時:2017年11月23日 21時