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「…そんな、」
中間さんが発見された時のことがフラッシュバックする
もしのんちゃんが見つからなかったら…、そう考えると涙が溢れそうになってきた
「Aちゃん辛いだろうけど、でもな?、確実に今は犯人のことを追い込んでいるんよ」
「…え、」
「此処までやって来たんから、最後まで気持ちを負けずに小瀧さん見つけような」
「負け、ずに…」
"絶対に負けないで下さい"
そういえば重岡さんが3日前に、潰れてしまいそうな私を見て言葉をかけてくれたんだっけ
重岡さんの言葉を忘れて、気持ちが負けそうになっていた
「…負けてはダメですよね、絶対に見つけます」
「おう、そうやでっ!、その調子や」
私の言葉を聞いて、桐山さんはガッツポーズをした
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その後、防犯カメラに白い車が映っているものがあるか調べるが、見つかることはなかった
また海辺でも先に捜査している方達からも、のんちゃんが見つかったとの連絡はなかった
「今日はお疲れさん、俺は引き継ぎとかあるからまだ残るけど、2人は明日に備えてな」
「ありがとうございます」
今日も遅い時間まで残って作業した私の身体はクタクタだった
桐山さんが他の人達に引き継ぎをしに出て行き、部屋の中は私と神山君で2人きりになる
「待って、神山君」
桐山さんが出ていって、神山君もそそくさと帰ろうとドアに手をかける
私が呼び止めると、ドアの前でピタリと止まる
「私、絶対に負けないから」
「へぇ、そうなんや」
神山君はボソッと呟くように言うと、部屋から出て行った
後ろ姿だから表情こそわからなかったが、追い詰めたことに焦ってるように見えた
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翌朝、ゲームの最終日
今日のんちゃんを見つけるか、見つけないかで、彼の運命は大きく変わる
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作者名:り | 作成日時:2021年10月15日 15時