兄の過去 ut.side ページ25
tn「それで俺、20分後に家に帰ってきたんやけどな、部屋に戻ったらゆうやが苦しそうにしててな…」
その当時のことを思い出したのか、トンにぃが苦しそうに息を吐いた。
tn「直ぐに救急車呼んだんや、俺は。まだ小学生やったからそれくらいしか出来ひんくて。
ずっとゆうやに話しかけてたけど、何も返せへんくらい辛そうで」
そんな辛い過去があってんな…。
いつも俺らのことばっか考えてくれてるトンにぃに。
tn「病院に運ばれてからしばらくして、ゆうやは天国に旅だったんやけどな。
俺は辛くて悲しくて、俺のせいでゆうやは亡くなったようなもんやったし。
そんなときに母さんが来て、俺は言われたんや」
ーーー
《あんたがちゃんと世話できないからよッ！》
「でも俺だってしなきゃいけないことが…」
《そんなの後でしょ？！自分のことはあとなのッッ！》
「…っ！母さんだって自分のことばっかり！」
ﾊﾟﾁﾝ！
「いっ………」
《弟の世話はあんた担当でしょ？私は関係ないの》
「………」
ーーー
tn「弟に1人で留守番できるからって言われて俺は家を出たとは何故か言えへんくてな…。
でも今なら何となくわかる。俺なりに、いつも自分のことしか考えてない母さんを皮肉ったつもりやったんやろな。
ほんま、馬鹿馬鹿しいわ」
自嘲気味に笑う声が耳元でする。
その声は辛そうで、俺は今すぐ耳を塞ぎたかった。
トンにぃのそんな声、聞きとうない。
tn「って、俺は寝てる大先生に向かってひとりごとみたいに何言うてんねやろ…w」
トンにぃの涙を含んだ声。
そして立ち上がる音。
俺は思わず目を開けて、その立ち去る背中に抱きついた。
tn「…っ！大先生っ？！」
そのあとにｸﾞｽﾝｯと鼻をすするような音。
ほらやっぱり。
泣いてる。
ut「俺らがいるから、トンにぃ。
ゆうやくんの代わり、俺らがするから」
俺は、トンにぃを抱きしめる力を強めた。
これ以上悲しんで欲しくなくて。
辛い思いをして欲しくなくて。
tn「大先生…。ごめんな？こんな話してしまって」
俺はぶんぶんと首を横に降った。
ut「トンにぃに泣いて欲しくないの…」
目頭が熱くなる。
tn「…。泣いてへんよ？大丈夫。
ありがとう。大先生」
俺の手を優しく解いて、今度はトンにぃが抱きしめてくれた。
その暖かい温もりに、俺は目を閉じた。
ーーー
すいません、めっちゃ内容重いっ…！
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ゆずれもん - ｼｬｵﾁｬﾝ (2019年9月11日 4時) (
レス) id: cb597fc79d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 皆可愛い！これからも無理せずに頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年9月7日 19時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - 更新される度に毎度毎度読ませていただいてます！ありがとうございます！夢主が弟達に甘やかされるっていうのも見てみたいですね、応援してます〜 (2019年9月1日 22時) (レス) id: 051e811b55 (このIDを非表示/違反報告)
だる猫(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！小説内での設定ということでしたら申し訳ないのですが、日本の法律では血縁関係のない義理の兄弟姉妹での結婚できますよ！がんばれポメラニアン！！(( (2019年8月27日 0時) (レス) id: d17492cb24 (このIDを非表示/違反報告)
yotuba0902 - ﾄｼ@堕天使のサブさん» お姉ちゃん…？ (2019年8月22日 17時) (レス) id: 101a506f7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆雅空☆ | 作成日時：2019年8月18日 22時
