彼の過去 ページ21
私はひとらん達に感謝しながらご飯を高速で食べて、直ぐにトントンの部屋へ向かった。
そしてすぐにおでこに置いておいた、水で濡らしたハンカチを取り替える。
tn「うぅん…」
あ、ごめん…。もっと慎重にやるね。
心の中でトントンにそう呼びかけて、さっきよりも慎重に彼のおでこにハンカチを置く。
未だに苦しそうに呼吸をするトントンを見て私の手は勝手に彼の頭の上に行っていた。
優しく撫でてあげる。
そうすることで楽になる訳では無いが。
やらないよりはやってあげたいって思った。
tn「…ﾊｱｯ、ゆ、うや………」
急にトントンがなにか喋った。
ゆ う や ？
誰のことなんだろうか。
私が少し悩んでいると。
tn「ﾊｧ、ﾊｧ……うぅ、う…」
『トントン…』
さっきのグルッペンの言葉を思い出した。
《…こいつ、寝てから時々うなされてるみたいなんや》
なににうなされてるの…？
ゆうやって人も関係あるの？
私は心の中でそう思った。
思ったところで、何も変わらないのに。
ｺﾝｺﾝ…
『だれ？』
あれからしばらくして聞こえてきたノックに、できるだけ小さい声で返した。
ut「俺やで」
『大先生？』
ut「うん…」
『入ってええよ』と言うと、「トンにぃは大丈夫？」と言いながら入ってきた。
『うーん…。まだ辛そう』
ut「そっか…」
大先生は床に敷かれたカーペットの上に座っていた私の隣にあぐらをかいて座った。
青っぽい黒髪が、あえて暗めにしてある部屋の明かりを反射して綺麗に光っていた。
『大先生、どうしたん？』
何も言わない彼の代わりに、私が先に口を開く。
ut「いや、グルにぃからトンにぃがうなされてるって聞いて、俺が行かなと思って」
何故か大人びた彼の話し方を見て私は少し驚いた。
優しい目をしているが、その目は何を思っているのかわからない、この部屋のような暗さを感じた。
ut「トンにぃがうなされてる理由知ってんねん」
『え？』
予想だにしていなかった言葉に私は驚きを隠せなかった。
さっきから驚いてばっかりや。
ut「俺が寝れへんくて、トンにぃと一緒に寝た時…
トンにぃは俺が寝るまでずっと起きててくれたんや」
彼の話を頭の中で想像しながら聞くことにした。
ut「けど俺、結局寝れへんくて。でもトンにぃは寝てるって思ったらしくて」
「独り言みたいに俺に話してくれたんや。自分の過去のこと」
寂しそうに彼はポツリと呟いた。
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ゆずれもん - ｼｬｵﾁｬﾝ (2019年9月11日 4時) (
レス) id: cb597fc79d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 皆可愛い！これからも無理せずに頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年9月7日 19時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
みか(プロフ) - 更新される度に毎度毎度読ませていただいてます！ありがとうございます！夢主が弟達に甘やかされるっていうのも見てみたいですね、応援してます〜 (2019年9月1日 22時) (レス) id: 051e811b55 (このIDを非表示/違反報告)
だる猫(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！小説内での設定ということでしたら申し訳ないのですが、日本の法律では血縁関係のない義理の兄弟姉妹での結婚できますよ！がんばれポメラニアン！！(( (2019年8月27日 0時) (レス) id: d17492cb24 (このIDを非表示/違反報告)
yotuba0902 - ﾄｼ@堕天使のサブさん» お姉ちゃん…？ (2019年8月22日 17時) (レス) id: 101a506f7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆雅空☆ | 作成日時：2019年8月18日 22時
